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- 【アジア・新興国】なぜ韓国では民間医療保険の加入率が高いのか?-韓国における実損填補型保険の現状や韓国政府の対策-
【アジア・新興国】なぜ韓国では民間医療保険の加入率が高いのか?-韓国における実損填補型保険の現状や韓国政府の対策-

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
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- 韓国では公的医療保険の保障率が低いことを理由に、多くの人々が民間医療保険に加入している。民間医療保険の中でも特に加入率が高いのは「実損填補型の医療保険(以下、実損填補型保険)」である。
- 韓国における2015年の世帯の民間医療保険の加入率は88.1%で、世帯の1ヶ月平均民間医療保険の保険料は308,265ウォンまで増加している。これは世帯の1ヶ月平均公的医療保険の保険料の約3倍の水準である。
- 韓国政府は、過剰診療や医療ショッピングの増加等の実損填補型保険の問題点を改善するために2016年12月に「実損填補型保険の改善案」を公表し、段階的に実施することを計画している。
- 韓国政府が発表した実損填補型保険の改善案により、医療機関の過剰診療や、一部加入者による医療ショッピング等はある程度改善されると期待されている。
- しかしながら公的医療保険の低い保障率と診療報酬により広がっている医療制度のゆがみを改善するためには、まず公的医療保険制度自体を強化する必要があるだろう。国民の医療に対する国の責任を韓国政府は忘れてはならない。
■目次
1――はじめに
2――民間医療保険への加入状況
3――実損填補型保険の改善案と期待効果
(1)各社の商品構造改善による自律的な市場規律の確立
(2)政府が実損填補型保険と関連したインフラを構築することにより、
国民医療費の負担を軽減
(3)各社の加入・切り替え・請求の手続き簡素化で消費者の便益を向上
4――おわりに
(2017年01月17日「保険・年金フォーカス」)
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生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2024年~ 関東学院大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
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