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新型コロナへの生活者の不安-全国6千名の定量調査から見えること、不安を軽減させるには

生活研究部 上席研究員 久我 尚子
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1――はじめに~政府の一斉休校要請直後に6千名の定量調査実施
先が見えずに不安を抱えながら、日々を過ごす方が多い中で、不安が強い生活者の特徴は何か、その背景には何があるのかを考察する。
1 インターネット調査、株式会社マクロミルのモニターを利用、有効回答6,183。
2――新型コロナへの不安~子のいるフリーランス女性、情報収集積極層、マスメディア志向層で強い
調査では、日頃の行動や価値観についての数十の設問があるのだが、このうち新型コロナに関係がありそうな2項目を抽出し、それらへのあてはまり具合と不安層の関係を見ると、「情報は自分で検索して手に入れたい」や「情報取得に時間をかけている」などの情報収集に積極的な層のほか、「SNSを使う人は多いが、結局、マスメディアの影響が最も大きいと思う」というマスメディア志向の強い層で不安が強い傾向がある(図表7)。増え行く感染者数等や買い占め騒動といった不安を増すような情報に対して、他者と比べて多く接することで、自ら不安を高めている様子がうかがえる。
このほか、今年の夏に予定されている東京五輪に期待している層ほど不安が強いという傾向もある。
2 例えば、罹患リスク低減意識からネット通販やキャッシュレス決済利用、情報収集など消費行動の面、出社制限からテレワーク等の働き方の面などを抽出している。
3――新型コロナによる外出抑制~不安が強いほど外出抑制

なお、外出抑制層は不安層が多い属性とおおむね合致しており、男性より女性で、年齢は高いほど、未婚者より既婚者で、子がいないよりいる方が、男性は管理職層で、女性は専業主婦のほか、自営業・自由業>非正規雇用者>正規雇用者の順に多くなっている。
地域別には、当調査の実施直前に、知事から外出自粛要請が出た北海道で、最も不安層が多く、外出抑制層も多い(図表9)。
(2020年03月23日「基礎研レポート」)

03-3512-1878
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
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