2020年03月13日

英国は金融・財政政策協調を新型コロナ拡大防止策より先行-背景にある長期戦への覚悟

経済研究部 研究理事   伊藤 さゆり

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■要旨
  • 3月11日、英中央銀行のイングランド銀行(BOE)が、新型コロナウィルス対策を盛り込んだ政府の2020年度予算案(2020年4月~2021年3月)の公表と合わせて、緊急利下げに動き、金融・財政政策の協調を演出した。
     
  • スナク財務相は、新型コロナウィルス対策関連予算を含む財政措置全体の規模は300億ポンド(同1.4%、4兆円)とし、現時点での財政刺激措置としてはどの国よりも大きいとの認識を示した。
     
  • 英国の政策対応は、経済に打撃を与える活動制限よりも、経済対策を先行させた点にも特徴がある。英国における感染の拡大は、人口比で見て、これまでのところ比較的抑えられている。感染拡大策も、大規模イベント、スポーツイベントの自粛や在宅勤務の要請などは見送るなど、近隣諸国に比べるとマイルドだ。
     
  • 英国が、金融・財政政策で先手を打ち、感染拡大措置の段階を、近隣諸国に比べて低く抑えているからと言って、英国政府は先行きを楽観している訳ではない。3カ月程度先と見られるピークに合わせて、より厳しい措置を講じられる熱意を持ち続けるためとされる。
     
  • 英国の感染拡大のピークが3カ月先であれば、EUとの将来関係協定の協議のための「移行期間」の延長判断の期限(今年6月末)と重なる。予見不可能な圧力にさらされている企業や家計、金融システムに、EU離脱を巡る混乱が一層の負荷をかけることがないよう、妥協の余地を探ってほしい。

■目次

1――3月11日公表の金融・財政政策
  1|緊急利下げに動いたBOE
  2|新型コロナウィルス対策を盛り込んだ2020年度予算
2――近隣諸国より低い活動制限の段階
  1|統計上は抑えられている英国内での感染拡大
  2|現時点では抑制的な感染拡大措置
3――英国の対応は数カ月にわたる感染拡大を視野に入れたもの
4――気掛かりな英国とEUの協議の行方
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経済研究部   研究理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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