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- 企業物価指数(2020年1月)―国内企業物価は消費税を除くベースでは8ヵ月ぶりに前年比プラスに転じる
2020年02月13日
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1.原油価格の上昇が国内企業物価を押し上げ
2月13日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、20年1月の国内企業物価指数は前年比1.7%(19年12月:同0.9%)と、3ヵ月連続の前年比プラスとなった。事前の市場予想(QUICK集計:前年比1.5%、当社予想も同1.5%)を上回る結果となった。一方、消費税を除いた1月の国内企業物価指数は、前年比0.1%(19年12月:同▲0.6%)となり、8か月ぶりに前年比プラスに転じた。なお、企業物価指数は19年10月に実施された消費税率引き上げによって1.6%pt押し上げられている。
原油価格の上昇を反映し、石油・石炭製品(消費税を含むベース)が前年比9.2%と19年12月の同1.2%から大きく伸びを高め、前年比寄与度は 0.58%pt(19年12月:0.08%pt)と押し上げ幅を前月から拡大させたことが企業物価指数の上昇に寄与した。
国内企業物価指数は前月比では0.2%(19年12月:同0.1%)の上昇となった。前月比で内訳をみると、石油・石炭製品が前月比2.9%(19年12月:同2.3%)と4ヵ月連続の上昇となった。ガソリン(19年12月:前月比2.3%→20年1月:同1.9%)、灯油(19年12月:同3.5%→20年1月:同3.3%)、軽油(19年12月:同3.4%→20年1月:同3.5%)が前月比プラスとなったほか、ナフサ(19年12月:同0.0%→20年1月:同:12.6%)が大きく上昇した。また、下落が続いていた銅価格の上昇を受けて、非鉄金属が前月比0.8%(19年12月:同1.4%)と4ヵ月連続の上昇となった。一方、電力・都市ガス・水道は既往の原油安の影響で前月比▲0.2%(19年12月:同▲0.6%)と2ヵ月連続で下落した。
原油価格の上昇を反映し、石油・石炭製品(消費税を含むベース)が前年比9.2%と19年12月の同1.2%から大きく伸びを高め、前年比寄与度は 0.58%pt(19年12月:0.08%pt)と押し上げ幅を前月から拡大させたことが企業物価指数の上昇に寄与した。
国内企業物価指数は前月比では0.2%(19年12月:同0.1%)の上昇となった。前月比で内訳をみると、石油・石炭製品が前月比2.9%(19年12月:同2.3%)と4ヵ月連続の上昇となった。ガソリン(19年12月:前月比2.3%→20年1月:同1.9%)、灯油(19年12月:同3.5%→20年1月:同3.3%)、軽油(19年12月:同3.4%→20年1月:同3.5%)が前月比プラスとなったほか、ナフサ(19年12月:同0.0%→20年1月:同:12.6%)が大きく上昇した。また、下落が続いていた銅価格の上昇を受けて、非鉄金属が前月比0.8%(19年12月:同1.4%)と4ヵ月連続の上昇となった。一方、電力・都市ガス・水道は既往の原油安の影響で前月比▲0.2%(19年12月:同▲0.6%)と2ヵ月連続で下落した。
2.輸入物価は2ヵ月連続の上昇
20年1月の輸入物価指数1は、契約通貨ベースでは前月比0.7%(19年12月:同0.6%)と2ヵ月連続のプラスとなった。20年1月のドル円相場は前月比0.2%とほぼ横ばいとなり、円ベースも前月比0.7%(19年12月:同0.9%)と契約通貨ベースと同水準の伸びとなった。

為替レートは一進一退の動きが続いているが、原油価格(ドバイ)は新型肺炎の感染拡大を受けて下落が続いている。先行きの輸入物価指数は弱めの動きとなるだろう。
1 輸入物価指数は、消費税を除くベースで作成されている
3.素原材料は上昇に転じる
20年1月の需要段階別指数(国内品+輸入品)2をみると、素原材料が前年比0.8%(19年12月:同▲6.7%)、中間財が前年比▲0.4%(19年12月:同▲2.1%)、最終財が前年比0.0%(19年12月:同▲1.0%)となり、素原材料は8か月ぶりに上昇に転じた。今後は中間財、最終財の価格にも素原材料価格の上昇が波及する可能性がある。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年02月13日「経済・金融フラッシュ」)
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