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コラム
2020年01月22日
自動運転は年間約10兆円の経済損失をプラスの経済効果に変えることができるか?
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先日出張帰りに羽田空港からバスで帰ってきたときのことだ。終点の自宅最寄駅に近づいたことを告げるアナウンスで、ふと時計に目をやると20時05分を指していた。筆者は思わず先ほどまでウトウトしていた自分の目を疑った。第1ターミナルを出発したのが19時35分だったはずだ。なんと、まだ30分しか経っていない。最終的に到着したのは20時10分で所要35分である。
通常なら50分程掛かるはずだ。15分も短縮できたのは、当然それだけ交通量が少なく、渋滞が少しも発生せずに一定のスピードが保てたからであろう。
羽田空港から筆者宅最寄駅まで直線距離で約25キロメートルである。この間の公共交通ルートは電車、モノレール、バスとある。ウェブでマップ検索すると、最寄駅を朝7時半に出発したとして、それぞれおおよそ、70分、60分、75分かかる。逆ルートの場合は、羽田空港を19時30分に出発したとして電車、モノレールは行きとさほど変わらず、バスはやはり50分程度という結果だ。
渋滞がなければ35分で到着するバスは、電車やモノレールに比べて30分もの短縮になる。圧倒的に効率的だ。カフェでコーヒー一杯を愉しむゆとりが生まれるではないか。本来の都市部の道路網は、これだけ効率的な移動のためのインフラストラクチャーなのである。それが、渋滞の発生により効率性を大きく低減してしまっているのだ。
ここで、改めて渋滞の経済損失の大きさに思いが至る。国土交通省によると、国内の交通渋滞による総損失時間は年間約50億時間に及ぶ1という。時間あたり平均賃金を用いて、総損失時間における経済損失額を推計すると年間約10兆円にもなる2。裏返せば、交通渋滞を完全に無くせばその経済効果は年間約10兆円になる。
そうした理由からも、渋滞緩和に大きな効果があるとされている完全自動運転の普及に大いに期待したい。これまでも渋滞対策には、交通容量の拡大や交通需要調整といった様々な取り組みがなされてきたが、それ以上に、渋滞による経済損失を削減する可能性を秘めており、それだけ完全自動運転の普及は社会的な意義があると感じるのである。
1 「高速道路を中心とした「道路を賢く使う取組」の基本方針」平成27年1月国土交通省より。2012年度の国土交通省の試算に基づく
2 「平成24年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)のきまって支給する現金給与額(民営事業所10人以上、男女計学歴計)を時間換算し、年間総損失時間に乗じて算出。
通常なら50分程掛かるはずだ。15分も短縮できたのは、当然それだけ交通量が少なく、渋滞が少しも発生せずに一定のスピードが保てたからであろう。
羽田空港から筆者宅最寄駅まで直線距離で約25キロメートルである。この間の公共交通ルートは電車、モノレール、バスとある。ウェブでマップ検索すると、最寄駅を朝7時半に出発したとして、それぞれおおよそ、70分、60分、75分かかる。逆ルートの場合は、羽田空港を19時30分に出発したとして電車、モノレールは行きとさほど変わらず、バスはやはり50分程度という結果だ。
渋滞がなければ35分で到着するバスは、電車やモノレールに比べて30分もの短縮になる。圧倒的に効率的だ。カフェでコーヒー一杯を愉しむゆとりが生まれるではないか。本来の都市部の道路網は、これだけ効率的な移動のためのインフラストラクチャーなのである。それが、渋滞の発生により効率性を大きく低減してしまっているのだ。
ここで、改めて渋滞の経済損失の大きさに思いが至る。国土交通省によると、国内の交通渋滞による総損失時間は年間約50億時間に及ぶ1という。時間あたり平均賃金を用いて、総損失時間における経済損失額を推計すると年間約10兆円にもなる2。裏返せば、交通渋滞を完全に無くせばその経済効果は年間約10兆円になる。
そうした理由からも、渋滞緩和に大きな効果があるとされている完全自動運転の普及に大いに期待したい。これまでも渋滞対策には、交通容量の拡大や交通需要調整といった様々な取り組みがなされてきたが、それ以上に、渋滞による経済損失を削減する可能性を秘めており、それだけ完全自動運転の普及は社会的な意義があると感じるのである。
1 「高速道路を中心とした「道路を賢く使う取組」の基本方針」平成27年1月国土交通省より。2012年度の国土交通省の試算に基づく
2 「平成24年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)のきまって支給する現金給与額(民営事業所10人以上、男女計学歴計)を時間換算し、年間総損失時間に乗じて算出。
(2020年01月22日「研究員の眼」)
03-3512-1814
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