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- 中期経済見通し(2018~2028年度)
2018年10月12日
■要旨
- 2008年秋のリーマン・ショックをきっかけとした世界金融危機が発生してから10年が経過した。先進国のGDPギャップは2018年には10年ぶりにプラスに転じる見込みだが、潜在成長率はリーマン前の水準を回復しておらず、世界経済が完全に復調したとはいえない。
- 今後10年間の世界経済は3%台半ばから後半の成長が続くと予想するが、米中貿易戦争が激化し、世界的に保護主義的な政策が広がった場合には、世界経済が大きく落ち込むリスクがある。
- 日本はすでに人口減少局面に入っているが、女性、高齢者の労働力率の上昇、外国人労働力の拡大から労働力人口は増加が続いている。今後10年程度は人口減少による経済成長への影響を過度に悲観する必要はない。2028年度までの実質GDP成長率は平均1.0%となり、過去10年平均と同程度の伸びになると予想する。名目GDPの伸びは平均2.0%となり、2023年度に政府目標の名目GDP600兆円が達成されるだろう。
- 消費者物価上昇率は10年間の平均で1.3%(消費税の影響を除く)と予想する。デフレに戻る可能性は低いが、日本銀行が「物価安定の目標」としている2%を安定的に続けることは難しいだろう。
■目次
1. リーマン・ショックから10年が経過
・GDPギャップはほぼ解消も、潜在成長率は世界金融危機前に戻らず
・新興国は相対的に高い成長を維持するが、伸び率は徐々に低下
2.海外経済の見通し
・米国経済
-短期的に潜在成長率を上回るものの、その後は通商政策、米国内政治が重石
・ユーロ圏経済-1%台半ばの潜在成長率近辺で拡大、ECBの緩和縮小は緩やかに
・中国経済-中国の成長率は段階的に低下して3%台半ばへ
・新興国経済-新興国は4%台後半の成長が続く
3. 日本経済の見通し
・消費低迷の主因は可処分所得の伸び悩み
・金融資産は大幅に増加するが、財産所得が低迷
・世帯属性からみた個人消費
・上振れる労働力人口
・予測期間中の潜在成長率は1%程度で推移
・10年間の実質GDP成長率は平均1.0%を予想
・名目GDP600兆円の達成は2023年度と予想
・10年間の消費者物価上昇率は平均1.3%を予想
・経常収支は2020年代後半に赤字へ
・第一次所得収支の黒字は高水準が続く
・家計の金融資産残高は予測期間末には2000兆円へ
・訪日外国人旅行者数は2020年には4000万人へ
・財政収支の見通し
4. 金融市場の見通し(メインシナリオ)
・日本の金融政策と金利
・米国の金融政策と金利
・ユーロ圏の金融政策と金利
・為替レート
5. 代替シナリオ
・楽観シナリオ
・悲観シナリオ
・シナリオ別の財政収支見通し
・シナリオ別の金融市場見通し
1. リーマン・ショックから10年が経過
・GDPギャップはほぼ解消も、潜在成長率は世界金融危機前に戻らず
・新興国は相対的に高い成長を維持するが、伸び率は徐々に低下
2.海外経済の見通し
・米国経済
-短期的に潜在成長率を上回るものの、その後は通商政策、米国内政治が重石
・ユーロ圏経済-1%台半ばの潜在成長率近辺で拡大、ECBの緩和縮小は緩やかに
・中国経済-中国の成長率は段階的に低下して3%台半ばへ
・新興国経済-新興国は4%台後半の成長が続く
3. 日本経済の見通し
・消費低迷の主因は可処分所得の伸び悩み
・金融資産は大幅に増加するが、財産所得が低迷
・世帯属性からみた個人消費
・上振れる労働力人口
・予測期間中の潜在成長率は1%程度で推移
・10年間の実質GDP成長率は平均1.0%を予想
・名目GDP600兆円の達成は2023年度と予想
・10年間の消費者物価上昇率は平均1.3%を予想
・経常収支は2020年代後半に赤字へ
・第一次所得収支の黒字は高水準が続く
・家計の金融資産残高は予測期間末には2000兆円へ
・訪日外国人旅行者数は2020年には4000万人へ
・財政収支の見通し
4. 金融市場の見通し(メインシナリオ)
・日本の金融政策と金利
・米国の金融政策と金利
・ユーロ圏の金融政策と金利
・為替レート
5. 代替シナリオ
・楽観シナリオ
・悲観シナリオ
・シナリオ別の財政収支見通し
・シナリオ別の金融市場見通し
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