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- 米国経済の見通し-減税、拡張的な財政政策などから当面は堅調見通しも、通商政策や中間選挙動向が不安要因
2018年09月10日
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■要旨
- 米国の4-6月期の成長率(前期比年率)は+4.2%(前期:+2.9%)と、前期から伸びが大幅に加速。個人消費と外需が成長率を大幅に押上げた。もっとも、外需は米国産大豆輸出が中国からの制裁関税実施前に駆け込みで増加した面が大きく、押上げは一時的。
- 一方、賃金上昇や減税に伴う可処分所得の堅調な伸び、良好な消費者センチメントなどを背景に個人消費は好調。もっとも、米中貿易戦争に伴う輸入関税が消費に与える影響を注視する必要。
- 当研究所では、労働市場の回復に伴い堅調な個人消費が持続する中、減税や拡張的な財政政策に伴う景気押上げなどから、成長率(前年比)は18年が+2.9%、19年も+2.8%と17年の+2.2%から加速すると予想。
- 金融政策は、雇用回復に加え、インフレ率の加速が明確となっていることから、FRBは18年に年4回の利上げを実施、19年にかけても利上げを継続すると予想。長期金利も政策金利の引き上げに加え、財政状況の悪化に伴う期間プレミアムの上昇などから、19年末にかけて3%台後半へ上昇する見込み。
- 米経済に対するリスクは、追加関税を中心とする保護主義的な通商政策と米国内政治。とくに、米国内政治は、11月の中間選挙で野党民主党が下院で過半数を獲得する可能性が高まっており注目される。仮に民主党が勝利する場合には、トランプ大統領の弾劾裁判開始が現実味を帯びてくるほか、トランプ大統領が目指す経済政策の遂行が困難となるため、米国内政治の混乱が実体経済に及ぼす影響が懸念される。
■目次
1.経済概況・見通し
・(経済概況)
4‐6月期の成長率は、個人消費、外需の好調などに伴い前期から伸びが加速
・(経済見通し)成長率は18年+2.9%、19年+2.8%を予想
2.実体経済の動向
・(労働市場)労働市場の回復が持続。労働需給の逼迫から賃金上昇率が加速
・(設備投資)
17年以降、堅調な伸びが持続。法人税制改革などを追い風に好調を持続する見込み
・(住宅投資)住宅価格や住宅ローン金利上昇が回復に水を差す可能性
・(政府支出、債務残高)19年度歳出法案審議が佳境。来年以降は中間選挙結果が左右
・(貿易)保護主義的な通商政策が好調な米実体経済のリスク要因に
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)エネルギー価格や賃金の上昇から、インフレ率の加速を予想
・(金融政策)18年は年4回、19年も利上げ継続を予想
・(長期金利)19年末にかけて3%台後半への上昇を予想
1.経済概況・見通し
・(経済概況)
4‐6月期の成長率は、個人消費、外需の好調などに伴い前期から伸びが加速
・(経済見通し)成長率は18年+2.9%、19年+2.8%を予想
2.実体経済の動向
・(労働市場)労働市場の回復が持続。労働需給の逼迫から賃金上昇率が加速
・(設備投資)
17年以降、堅調な伸びが持続。法人税制改革などを追い風に好調を持続する見込み
・(住宅投資)住宅価格や住宅ローン金利上昇が回復に水を差す可能性
・(政府支出、債務残高)19年度歳出法案審議が佳境。来年以降は中間選挙結果が左右
・(貿易)保護主義的な通商政策が好調な米実体経済のリスク要因に
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)エネルギー価格や賃金の上昇から、インフレ率の加速を予想
・(金融政策)18年は年4回、19年も利上げ継続を予想
・(長期金利)19年末にかけて3%台後半への上昇を予想
(2018年09月10日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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