コラム
2018年01月22日

財布を持たない、という日常-中国におけるキャッシュレス化の浸透度

保険研究部 准主任研究員   片山 ゆき

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先日、北京出張をした際に、中国の友人と食事をした。中国でキャッシュレス化が進んでいるという話題になると、ふと考えこんだ友人は「そういえば、いつから財布を持たないで出かけるようになったか、思い出せない。」という。彼女にとっては、財布を持たない、現金に触れないことがずいぶん前から日常であった。
 
食事の支払いをどちらがするかで少しもめたが(一応礼儀として)、レストランを決めた友人曰く、アプリで予約したときの割引クーポンがあるから、それを使って支払うという。レジで私が財布から現金を出すのが先か、彼女がスマホ決済で一瞬で支払うのが先か、火を見るより明らかである。スマホ決済ができなければ、もはや友人にごちそうすることもできない。
 
中国ではキャッシュレス化が急速に進み、私のような出張者はすぐばれてしまう。現金を出して困った顔をされるとこちらも困ってしまう。今まで何とかやり過ごしてきたが、ちょっとした買い物をしようとしても、QRコードが立ちはだかる。
 
昔よく飲んだ伝統的な飲物「酸奶」(乳酸発酵飲料。陶器の入れ物に入っており、紙の封をストローで破って飲む極めてアナログな飲物である)を露店で買うにもQRコードをかざしてスマホ決済が必要(写真ご参照)。しょうがないので、スマホ決済の場面の撮影だけでもしようと思ったのだが、スマホをかざすと筆者も支払いをするのかと思われ、周りの人が場所を空けてくれた。
QRコードにかざしてスマホで決済している風景
帰国して、中国出張に頻繁に行く別の友人に顛末を話すと、羽田空港に「ポケット・チェンジ」という便利な端末があると教えてくれた1。海外旅行で余った紙幣や硬貨を、日本で使える電子マネーやギフト券に交換してくれる端末で、中国で広く使われるウィーチャットペイ(WeChatPay/微信支付)にチャージをすることも可能だという。事前にウィーチャットのアプリをダウンロードし、クレジットカードなどの登録は必要であるが、チャージをしておけば出張でのストレスはだいぶ軽減されそうだ。
 
今春からアリペイが日本人でも使用可能となる報道もあったが、アリペイはすでに世界26各国で利用が可能で、ウィーチャットペイとのユーザーを加えるとのべ10億人を超えるらしい。キャッシュレス社会の中国に身を置いてみると、もはや、「円」だとか「元」だとかの現金通貨(お金)の概念の変革は、想像をはるかに超えるスピードで進んでいる気がしてならない。
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保険研究部   准主任研究員

片山 ゆき (かたやま ゆき)

研究・専門分野
中国の保険・年金・社会保障制度

(2018年01月22日「研究員の眼」)

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