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- 国内中小型株のアクティブ・ファンドが健闘~2017年10月の投信動向~
コラム
2017年11月07日
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国内株式から大規模な資金流出
投資家の行動に変化の兆しが見られる国内株式
国内株式からの資金流出は、日経平均株価が2日から24日まで16連騰するなど上昇基調の中、利益確定の売却などによって資金流出が膨らんだようだ。ただ、日次の資金流出をみると投資家の行動に変化の兆しが見られる【図表3】。
上旬から中旬にかけては、国内株式ファンドから100億円以上の資金流出がある日が多かった。それが下旬に入ると、資金流出はしているものの流出金額が減少傾向にあったことが分かる。特に31日は、株価がほぼ横ばいだったこともあり、資金流入に反転していた。31日は新設ファンド1の影響でアクティブ・ファンドの資金流入が大きくなっているが、新設ファンドの影響を除外しても、パッシブ、アクティブともに流入超過であった。
このことから、10月中旬までで利益確定のための売却が一巡してきた可能性が示唆される。国内株式は逆張り投資される傾向があるが、投資家の間で国内株式に対する先高観が足元では強まってきているのかもしれない。
上旬から中旬にかけては、国内株式ファンドから100億円以上の資金流出がある日が多かった。それが下旬に入ると、資金流出はしているものの流出金額が減少傾向にあったことが分かる。特に31日は、株価がほぼ横ばいだったこともあり、資金流入に反転していた。31日は新設ファンド1の影響でアクティブ・ファンドの資金流入が大きくなっているが、新設ファンドの影響を除外しても、パッシブ、アクティブともに流入超過であった。
このことから、10月中旬までで利益確定のための売却が一巡してきた可能性が示唆される。国内株式は逆張り投資される傾向があるが、投資家の間で国内株式に対する先高観が足元では強まってきているのかもしれない。
1 「ニッポン創業経営者ファンド」が10月31日に82億円で設定(アクティブ・ファンドに分類)
インド株に混じって国内中小型株も健闘
10月にパフォーマンスが良好であったファンドを見ると、上位10ファンドのうち4ファンドがインド株式ファンドであった【図表4】。インド経済の回復に加えて、インフラ投資や不良債権処理の進展への期待が高まり、主要指数であるSENSEX指数が史上最高値を更新するなど、インド株式ファンドが総じて好調であった。
また、国内株式の中小型アクティブ・ファンドである「JPMザ・ジャパン」も10月の収益率が9.1%で高パフォーマンスであった。【図表4】には載らなかったが、国内株式の中小型アクティブ・ファンドの中には「JPMザ・ジャパン」と同様に、9%前後だったファンドもいくつかあった。10月の配当込みTOPIX(東証株価指数)が5.4%の上昇であったことを考慮すると、それらのファンドは市場環境以上に大きく収益を上げていたといえるだろう。
また、国内株式の中小型アクティブ・ファンドである「JPMザ・ジャパン」も10月の収益率が9.1%で高パフォーマンスであった。【図表4】には載らなかったが、国内株式の中小型アクティブ・ファンドの中には「JPMザ・ジャパン」と同様に、9%前後だったファンドもいくつかあった。10月の配当込みTOPIX(東証株価指数)が5.4%の上昇であったことを考慮すると、それらのファンドは市場環境以上に大きく収益を上げていたといえるだろう。
足元では大型株も堅調であるが、大型株は中小型株と比べて外部環境に左右されやすい傾向がある。また、中長期的に見ると市場平均を上回るファンドが多かったことも踏まえると、国内株式への投資を検討する際には、中小型のアクティブ・ファンドを選択肢に入れてもいいのではないだろうか。ただし、中小型株は大型株と比べて高リスクの傾向がある点は、十分に留意する必要があるだろう。
(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
(2017年11月07日「研究員の眼」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
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