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アクチュアリー気候指数の開発-異常気象の発生度合いは、指数で表せるか?
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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4――今回公表された指数のこれまでの推移
項目ごとに見ると、高温、低温の負値6、降水、海水面の4つは、長期的に上昇傾向にあることがうかがえる。これらは、ACIと同様、それぞれの異常度合いが高まっているものと見ることができる。
一方、乾燥と強風の2項目については、ACIとはあまり関係なく、独自の変動を見せている。特に、乾燥は、他の項目に比べて、上下の振幅の幅が大きい。これらについては、年ごとの違いの観測を、慎重に進めていく必要があるものと考えられる。
6 6つの項目のうち、低温だけは、乖離が負の方向に進んでいく。このため、低温は負値をとってみていく必要がある。ACIの計算式では、低温は負値をとって、他の項目との平均を計算する。
5――リスク指数の開発
ACRIは、北米地域における保険事業での活用を目的としている。これまでの分析で、次のような相関関係が確認されている7。
7 相関関係が見られなかった地域については、他の地域の平均や、他の特定の地域のもので代用することとしている。
6――ヨーロッパの動向
8 “Extension of the Actuaries Climate Index to the UK and Europe”(C. L. Curry, December 2015)より。
7――おわりに (私見)
日本でも、これから、気候変動の「見える化」が、ますます求められるようになるだろう。そうしたことを念頭に置きつつ、欧米での指数化の動きを、ウォッチしていく必要があろう。
9 アメリカ海軍の合同台風警報センター(JTWC)は、最大風速(10分間平均)が130ノット(秒速約67メートル)以上の熱帯低気圧を、スーパー台風として統計をとっている。なお、日本では、気象庁が、34ノット(秒速約17メートル)以上のものを、台風としている。このうち、105ノット(秒速約54メートル)以上のものを、猛烈な台風としている。
10 気象庁の用語では、集中豪雨(同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨)や、局地的大雨(急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨)が用いられる。
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保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
(2017年09月12日「保険・年金フォーカス」)
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