- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- ユーロ圏消費者物価(24年4月)-総合指数は横ばい、コア指数は低下
2024年05月01日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.結果の概要:総合指数は横ばい、コア指数は低下が継続
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。
2.結果の詳細:物価上昇の勢いの加速は継続
4月のHICP上昇率3(前年同月比)は全体で2.4%となり、3月と同じだった。一方で「コア部分(=エネルギーと飲食料を除く総合)」は3月の2.9%から2.7%にさらに低下した。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が2月1.6%→3月1.1%→4月0.9%と低下が続いている。「サービス」(エネルギーを除く)は2月4.0%→3月4.0%→4月3.7%となり、5か月連続で4%を記録した後、3%台に低下した。3月までの費目別の上昇率は、外食・宿泊(3月5.3%)、その他財・サービス(3月4.1%)、教育(3月4.1%)が高止まりしている。前年同月比寄与度は、「財」が0.22%ポイント程度、「サービス」が1.53%ポイント程度と見られる。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で2月▲3.7%→3月▲1.8%→4月▲0.6%とマイナス幅の縮小が続いている。エネルギーの前年同月比寄与度は▲0.09%ポイント程度と見られる。費目別には3月の光熱費(前年同月比0.5%)が23年7月以来となるプラス成長を記録した。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が2月1.6%→3月1.1%→4月0.9%と低下が続いている。「サービス」(エネルギーを除く)は2月4.0%→3月4.0%→4月3.7%となり、5か月連続で4%を記録した後、3%台に低下した。3月までの費目別の上昇率は、外食・宿泊(3月5.3%)、その他財・サービス(3月4.1%)、教育(3月4.1%)が高止まりしている。前年同月比寄与度は、「財」が0.22%ポイント程度、「サービス」が1.53%ポイント程度と見られる。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で2月▲3.7%→3月▲1.8%→4月▲0.6%とマイナス幅の縮小が続いている。エネルギーの前年同月比寄与度は▲0.09%ポイント程度と見られる。費目別には3月の光熱費(前年同月比0.5%)が23年7月以来となるプラス成長を記録した。
「飲食料(アルコール含む)」は、前年同月比で2.8%(3月2.6%)と12か月連続で低下した後、4月は上昇に転じた(図表3)。飲食料のうち加工食品の伸び率は3.2%(3月3.5%)と低下傾向が続き、未加工食品は1.3%(3月▲0.5%)と3月のマイナスからプラスに転じた。飲食料の前年同月比寄与度は0.61%ポイント程度(3月は0.53%ポイント)と見られる。
物価上昇の勢いをECBが公表する季節調整済系列で確認すると(図表4)、3か月移動平均後の3か月前比年率で総合指数が3.5%(3月2.8%)、コアが3.7%(3月2.2%)、エネルギーを除く財が0.8%(3月1.3%)、サービスが5.3%(3月4.3%)、飲食料が1.2%(3月2.1%)となった。飲食料とエネルギーを除く財では物価上昇の勢いが加速しているが、サービスやコア、総合指数では勢いが加速しており、2%を上回っている状況が続いている。
物価上昇の勢いをECBが公表する季節調整済系列で確認すると(図表4)、3か月移動平均後の3か月前比年率で総合指数が3.5%(3月2.8%)、コアが3.7%(3月2.2%)、エネルギーを除く財が0.8%(3月1.3%)、サービスが5.3%(3月4.3%)、飲食料が1.2%(3月2.1%)となった。飲食料とエネルギーを除く財では物価上昇の勢いが加速しているが、サービスやコア、総合指数では勢いが加速しており、2%を上回っている状況が続いている。
国別のHICP上昇率は、前年同月比で20か国中、上昇したのは7か国、残りの13か国は低下した(図表5)。また、5か国が物価目標の2%を下回っている。なお、前月比では20か国中19か国がプラスの伸び率となった(図表6)。
3 23年からはユーロ圏20か国のデータ、22年までは19か国のデータ(以降も特に断りがない限り同様)。
3 23年からはユーロ圏20か国のデータ、22年までは19か国のデータ(以降も特に断りがない限り同様)。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年05月01日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/12 | ロシアの物価状況(25年5月)-インフレ圧力の軽減傾向が継続 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | 欧州経済見通し-回復基調だが、関税を巡る不確実性は大きい | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/11 | 英国雇用関連統計(25年5月)-給与所得者数が大幅減少 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/06 | ECB政策理事会-2%目標を概ね達成、金利水準は「良い位置」 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年06月13日
インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に -
2025年06月13日
年齢制限をすり抜ける小学生たち -
2025年06月13日
欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)- -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来 -近年のAI進化の背景とは -
2025年06月13日
株主提案による役員選任議案-フジメディア・ホールディングス
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【ユーロ圏消費者物価(24年4月)-総合指数は横ばい、コア指数は低下】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ユーロ圏消費者物価(24年4月)-総合指数は横ばい、コア指数は低下のレポート Topへ