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- 鉱工業生産17年5月~4-6月期は増産ペースの加速が確実、在庫は積み増し局面へ
2017年06月30日
1.5月の生産は大幅低下も、均せば堅調を維持
経済産業省が6月30日に公表した鉱工業指数によると、17年5月の鉱工業生産指数は前月比▲3.3%(4月:4.0%)と2ヵ月ぶりに低下した。ほぼ事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲3.2%、当社予想は同▲3.5%)通りの結果となった。出荷指数は前月比▲2.8%と2ヵ月ぶりの低下、在庫指数は前月比0.1%と6ヵ月連続の上昇となった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は17年1-3月期の前期比▲2.4%の後、4月が前月比6.5%、5月が同2.1%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は17年1-3月期の前期比▲1.0%の後、4月が前月比2.5%、5月が同▲3.2%となった。4、5月の平均を1-3月期と比較すると、建設財は▲0.2%低いが、資本財出荷(除く輸送機械)は5.0%高い水準となっている。
17年1-3月期のGDP統計の設備投資は前期比0.6%と2四半期連続の増加となった。16年前半に大幅に落ち込んだ企業収益は、円高の一巡や海外経済の回復に伴い16年後半以降は急回復している。17年度入り後の設備投資は回復の動きがより明確になる可能性が高い。
消費財出荷指数は17年1-3月期の前期比▲0.9%の後、4月が前月比5.2%、5月が同▲4.2%となった。5月は大きく落ち込んだが、4月の高い伸びの反動によるもので4、5月の平均は1-3月期を4.1%上回っている。5月の家計調査、商業動態統計、業界統計などの消費関連指標の結果と合わせて考えると、個人消費は持ち直しの動きが続いていると判断される。
17年1-3月期のGDP統計の設備投資は前期比0.6%と2四半期連続の増加となった。16年前半に大幅に落ち込んだ企業収益は、円高の一巡や海外経済の回復に伴い16年後半以降は急回復している。17年度入り後の設備投資は回復の動きがより明確になる可能性が高い。
消費財出荷指数は17年1-3月期の前期比▲0.9%の後、4月が前月比5.2%、5月が同▲4.2%となった。5月は大きく落ち込んだが、4月の高い伸びの反動によるもので4、5月の平均は1-3月期を4.1%上回っている。5月の家計調査、商業動態統計、業界統計などの消費関連指標の結果と合わせて考えると、個人消費は持ち直しの動きが続いていると判断される。
2.4-6月期は増産ペースの加速が確実、在庫は積み増し局面へ
製造工業生産予測指数は、17年6月が前月比2.8%、7月が同▲0.1%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(5月)、予測修正率(6月)はそれぞれ▲1.7%、▲0.8%であった。
17年5月の生産指数を6月の予測指数で先延ばしすると、17年4-6月期は前期比2.5%となる。生産計画が下方修正される傾向があることを考慮しても、4-6月期の生産の伸びが1-3月期の前期比0.2%を大きく上回ることは確実とみられる。IT関連を中心とした世界的な製造業サイクルの好転を受けて輸出が好調を維持していることに加え、ここにきて国内需要が持ち直していることも生産の押し上げに寄与している。
ただし、ここにきて輸送機械を中心に在庫指数の上昇傾向が明確となっていることには注意を要する。在庫循環図を確認すると、16年7-9月期から17年1-3月期まで3四半期連続で「意図せざる在庫減少局面」に位置したが、月次ベースでは17年4月に「在庫積み増し局面」に移行した後、5月もほぼ同じ位置となった。
4月は輸送機械の在庫指数が前月比15.6%の急上昇となったが、これは輸出向けの船待ち在庫による一時的なものである可能性高いとみていた。しかし、輸送機械の5月の在庫指数の低下幅は前月比▲5.4%にとどまり、前年比では4月が25.8%、5月が17.4%の大幅上昇となった。米国、中国向けの自動車輸出が弱めの動きとなっていることも踏まえれば、輸送機械の在庫は実勢として増加している可能性が高くなっている。現時点では、輸送機械の生産計画は一定の底堅さを維持しているが(6月:前月比8.3%、7月:同▲2.2%)、最終需要(輸出+国内販売)の動向次第では在庫調整圧力が大きく高まるリスクがあるだろう。
17年5月の生産指数を6月の予測指数で先延ばしすると、17年4-6月期は前期比2.5%となる。生産計画が下方修正される傾向があることを考慮しても、4-6月期の生産の伸びが1-3月期の前期比0.2%を大きく上回ることは確実とみられる。IT関連を中心とした世界的な製造業サイクルの好転を受けて輸出が好調を維持していることに加え、ここにきて国内需要が持ち直していることも生産の押し上げに寄与している。
ただし、ここにきて輸送機械を中心に在庫指数の上昇傾向が明確となっていることには注意を要する。在庫循環図を確認すると、16年7-9月期から17年1-3月期まで3四半期連続で「意図せざる在庫減少局面」に位置したが、月次ベースでは17年4月に「在庫積み増し局面」に移行した後、5月もほぼ同じ位置となった。
4月は輸送機械の在庫指数が前月比15.6%の急上昇となったが、これは輸出向けの船待ち在庫による一時的なものである可能性高いとみていた。しかし、輸送機械の5月の在庫指数の低下幅は前月比▲5.4%にとどまり、前年比では4月が25.8%、5月が17.4%の大幅上昇となった。米国、中国向けの自動車輸出が弱めの動きとなっていることも踏まえれば、輸送機械の在庫は実勢として増加している可能性が高くなっている。現時点では、輸送機械の生産計画は一定の底堅さを維持しているが(6月:前月比8.3%、7月:同▲2.2%)、最終需要(輸出+国内販売)の動向次第では在庫調整圧力が大きく高まるリスクがあるだろう。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2017年06月30日「経済・金融フラッシュ」)
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