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- 貿易統計17年5月~輸出の回復ペースがやや鈍化
2017年06月19日
1.貿易収支(原数値)は4ヵ月ぶりの赤字
財務省が6月19日に公表した貿易統計によると、17年5月の貿易収支は▲2,034億円と4ヵ月ぶりの赤字となり、事前の市場予想(QUICK集計:730億円、当社予想は▲699億円)を下回る結果となった。輸出は前月から伸びを大きく高めた(4月:前年比7.5%→5月:同14.9%)が、輸入が前年比17.8%(4月:同15.2%)と輸出を上回る伸びとなったため、貿易収支は前年に比べ▲1,560億円の悪化となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比7.5%(4月:同4.1%)、輸出価格が前年比6.9%(4月:同3.2%)、輸入の内訳は、輸入数量が5.4%(4月:同5.0%)、輸入価格が前年比11.8%(4月:同9.7%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比7.5%(4月:同4.1%)、輸出価格が前年比6.9%(4月:同3.2%)、輸入の内訳は、輸入数量が5.4%(4月:同5.0%)、輸入価格が前年比11.8%(4月:同9.7%)であった。
原数値の貿易収支は4ヵ月ぶりの赤字となったが、5月はGWに伴う生産停止の影響でもともと輸出量が少なく赤字になりやすいという季節性がある。季節調整済の貿易収支は1,338億円の黒字となり、4月の1,576億円から黒字幅が若干縮小したが、19ヵ月連続の黒字となった。基調としては貿易黒字が継続している。
ただし、17年入り後の貿易黒字(季節調整値)は、中華圏における春節の時期が昨年とずれた影響で急増した2月を除くと、16年中の水準を大きく下回っている。足もとで一服している円安、原油高が再び進行した場合には、赤字となる可能性が高まるだろう。
ただし、17年入り後の貿易黒字(季節調整値)は、中華圏における春節の時期が昨年とずれた影響で急増した2月を除くと、16年中の水準を大きく下回っている。足もとで一服している円安、原油高が再び進行した場合には、赤字となる可能性が高まるだろう。
2.アジア向けを中心に輸出が減速
5月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比8.0%(4月:同2.8%)、EU向けが前年比16.8%(4月:同2.7%)、アジア向けが前年比6.6%(4月:同6.8%)となった。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比1.0%(4月:同▲1.6%)、EU向けが前月比2.4%(4月:同▲1.8%)、アジア向けが前月比▲1.0%(4月:同▲1.6%)、全体では前月比0.1%(4月:同0.1%)となった。
4、5月の平均を1-3月期と比較すると、米国向けが2.6%、EU向けが7.6%高い水準にある一方、アジア向けは▲3.5%低い水準となっている。欧米向けは堅調に推移しているが、アジア向けは16年半ば以降の高い伸びの反動もあって弱めの動きとなっている。
輸出数量全体では4、5月の平均は1-3月期よりも▲0.3%低い。IT関連を中心とした世界的な製造業サイクルの好転を背景に輸出は回復基調を維持しているが、ここにきてその勢いはやや鈍っている。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比1.0%(4月:同▲1.6%)、EU向けが前月比2.4%(4月:同▲1.8%)、アジア向けが前月比▲1.0%(4月:同▲1.6%)、全体では前月比0.1%(4月:同0.1%)となった。
4、5月の平均を1-3月期と比較すると、米国向けが2.6%、EU向けが7.6%高い水準にある一方、アジア向けは▲3.5%低い水準となっている。欧米向けは堅調に推移しているが、アジア向けは16年半ば以降の高い伸びの反動もあって弱めの動きとなっている。
輸出数量全体では4、5月の平均は1-3月期よりも▲0.3%低い。IT関連を中心とした世界的な製造業サイクルの好転を背景に輸出は回復基調を維持しているが、ここにきてその勢いはやや鈍っている。
一方、5月の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は、前月比▲1.1%(4月:同0.8%)と3ヵ月ぶりに低下したが、4、5月の平均は1-3月期よりも1.1%高くなっている。
1-3月期のGDP統計では、財貨・サービスの輸出が前期比2.1%の高い伸びとなったが、輸入も前期比1.4%と高めの伸びとなった。この結果、外需寄与度は3四半期連続でプラスとなったものの、成長率の押し上げ幅は10-12月期の前期比0.4%から同0.1%へと縮小した。
4-6月期は輸出の伸びが鈍化する一方、国内需要の持ち直しを反映し輸入は底堅い動きが続くことが見込まれる。現時点では、4-6月期のGDP統計の外需寄与度はゼロ近傍になると予想している。
1-3月期のGDP統計では、財貨・サービスの輸出が前期比2.1%の高い伸びとなったが、輸入も前期比1.4%と高めの伸びとなった。この結果、外需寄与度は3四半期連続でプラスとなったものの、成長率の押し上げ幅は10-12月期の前期比0.4%から同0.1%へと縮小した。
4-6月期は輸出の伸びが鈍化する一方、国内需要の持ち直しを反映し輸入は底堅い動きが続くことが見込まれる。現時点では、4-6月期のGDP統計の外需寄与度はゼロ近傍になると予想している。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2017年06月19日「経済・金融フラッシュ」)
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