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「マーケットシェア」の意味するものは何か?-電気・電子産業における有力「下請企業」の出現等の構造変化に着目して-
平賀 富一
しかし、近年の業界構造の変化をみるとその様相は大分変わってきているようだ。本レポートでは、電気・電子産業を中心にその状況を述べることにする。
1――電気・電子産業の有力企業と業界内での構造変化
2――有力「下請企業」の出現とその背景、生産方式の変化
一方、発注元企業としては、自社で生産設備を持つことが不要となり、コスト面や、素早いモデルチェンジ・新製品の発売面でのメリットがあり、特に資本力が小さく設計・開発・デザインなどのアイディアで勝負したいベンチャー企業の発展に寄与しているといえよう。
このような大きな構造変化の背景としては、特に、電気・電子分野におけるモジュール生産化の流れが大きなファクターとなっている。
「モジュール生産」(組み合わせ生産)とは、規格に合った部品やモジュールを世界中の部品メーカーから外部調達し、組み合わせて最終製品を造る方式であり、部品の標準化が進み、様々なメーカーの部品を組み合わせられる(国際的な)「水平分業モデル」の実現に大きく寄与している(この点で、従来の「垂直統合モデル」の下での「インテグラル生産」(すり合わせ生産:部品やモジュールを独自に設計し、発注元と部品メーカーが互いに調整しながら組み合わせる方式)とは一線を画している)。
近年は、大手EMS・ファウンドリは単なる製造工程だけにとどまらず、設計など上流工程やサービス等にも業容を拡大しつつあり、また、鴻海精密工業のように、歴史ある大手メーカーであるシャープを買収するという動きも見られている。
電気・電子産業における上記のような変化の中で、今後、企業間関係や大手プレーヤーの勢力図がどのような変化を見せるのか、また、インテグラル生産の代表とされる自動車産業において、電気自動車という家電製品的な製品の増加・普及というトレンドにおいて、今後、モジュール生産化や製造・組み立ての委託といった流れが加速するのかは、関心を持って注視すべき重要なポイントであろう。
平賀 富一
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(2017年04月27日「基礎研レター」)
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