2016年10月25日

なぜ日本人は有給休暇を取らないのか?-「長時間労働=勤勉」、「長時間労働=当たり前」という旧時代の意識や風土にメスを!

生活研究部 准主任研究員   金 明中

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■要旨
 
  • 日本政府は有給休暇の取得を奨励しているものの、2014年の有給休暇の取得率は47.3%で、2004年の46.6%に比べて大きく改善されていない。
     
  • 日本の労働者の有給休暇の平均取得率が改善されていない理由としては、過去に比べて祝日の数が増えたことや「完全週休2日制」が少しずつ普及されることにより、全体的な休日数が増えたことも一つの原因として考えられるものの、根本的には職場や同僚に迷惑をかけることを意識したり、上司が休まないので有給休暇を取らないケースが多い。また、人事評価への影響を懸念して有給休暇を取らないケースもあるだろう。
     
  • 政府が祝日を増やしている理由の一つは日本人の働き方、つまり長時間労働を改善するためと思われる。
     
  • 日本の長時間労働やそれによる弊害を減らすためには、現在、政府が推進している働き方改革に企業が足並みを揃える必要がある。
     
  • 何よりも企業内に蔓延している長時間労働の風土を直し、より働きやすい職場環境を構築することが大事である。そのためには、決まった場所で長時間働く過去の働き方を捨て、多様な場所でより多様な働き方ができるように企業や労働者皆の意識を変えなければならない。
     
  • 政府は、「長時間労働=勤勉」あるいは「長時間労働=当たり前」という旧時代の意識や風土にメスを入れ、労働者がより安心して自由に働ける社会を構築すべきである。

■目次

1――はじめに
2――労働法上の休日
3――低い有給休暇の取得率
4――おわりに
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生活研究部   准主任研究員

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
社会保障論、労働経済学、日・韓社会保障政策比較分析

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