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健康経営とは
1980年代に米国の経営心理学者のロバート・ ローゼン氏によって「健康な従業員こそが収益性の高い会社をつくる」という“ヘルシーカンパニー”思想が提唱された。日本でも、福利厚生としてではなく、企業の持続的な成長に向けて従業員の健康に関与する必要があるという考えの下、「健康経営」という言葉が生まれている。
「健康経営」は、NPO法人 健康経営研究会によって商標登録されており、同会のHPによれば、「健康経営とは、『企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる』との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しています。」とある。
また、「従業員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。 従業員の健康管理者は経営者であり、その指導力の元、健康管理を組織戦略に則って展開することがこれからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。」と解説されている。
政府の取り組み 2013年の再興戦略から本格化
企業の取り組み 先駆的なデータ分析などはこれから
中小企業の取り組みはこれから
そのため、アクションプラン2015では労働人口の7割を占める中小企業の健康経営促進に力を入れていくとしている。大企業向けには取り組みが評価・表彰される仕組みが中心だった。中小企業向けには、横展開を図るための優良事例の公表やノウハウを提供するアドバイザーの資格制度の創設、さらに健康経営に取り組む優良企業に対して政府系金融機関などから低金利で融資を受けられることも検討している。
また、政府は2015年9月に一億総活躍社会を掲げ、その中で「生涯現役社会」の実現に向けて健康経営、健康宣言等に取り組む企業を増やすための環境整備を対策の1つに挙げた。心身ともに健康であることは一億総活躍社会の基盤であるといっていい。政府の後押しもあり、今後「健康」を巡る取り組みは中小企業にも拡大していくだろう。
白波瀨 康雄
研究・専門分野
(2016年03月02日「研究員の眼」)
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