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- 消費者物価(全国25年2月)-コアCPI上昇率は当面3%前後で推移する見通し
2025年03月21日
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1.コアCPI上昇率は2ヵ月連続の3%台
コアCPIの内訳をみると、灯油(1月:前年比6.3%→2月:同9.3%)、ガソリン(1月:前年比3.9%→2月:同5.8%)は上昇率が高まったが、電気・都市ガス代の支援策再開により、電気代(1月:前年比18.0%→2月:同9.0%)、ガス代(1月:前年比6.8%→2月:同3.4%)の上昇率が縮小したため、エネルギー価格の上昇率は1月の前年比10.8%からの同6.9%へ縮小した。
食料(生鮮食品を除く)は前年比5.6%(1月:同5.1%)と上昇率が前月から0.5ポイント拡大した。食料(生鮮食品を除く)は24年7月の前年比2.6%を底に7ヵ月連続で上昇率が高まった。米類の伸びがさらに高まった(12月:前年比64.5%→1月:同70.9%→2月:同80.9%)ことに加え、既往の円安に伴う輸入物価の上昇が消費者物価に波及している。
内訳をみると、米類のほかに、チョコレート(同30.4%)、調理パスタ(同12.5%)、果実ジュース(同18.4%)などが前年比で二桁の高い伸びを続ける一方、前年の上昇率が高かった裏が出ることで、カップ麺(同▲3.2%)、調理カレー(同▲2.4%)、紅茶(同▲3.2%)など下落する品目もあり、食料の価格にはばらつきが見られる。
食料(生鮮食品を除く)は前年比5.6%(1月:同5.1%)と上昇率が前月から0.5ポイント拡大した。食料(生鮮食品を除く)は24年7月の前年比2.6%を底に7ヵ月連続で上昇率が高まった。米類の伸びがさらに高まった(12月:前年比64.5%→1月:同70.9%→2月:同80.9%)ことに加え、既往の円安に伴う輸入物価の上昇が消費者物価に波及している。
内訳をみると、米類のほかに、チョコレート(同30.4%)、調理パスタ(同12.5%)、果実ジュース(同18.4%)などが前年比で二桁の高い伸びを続ける一方、前年の上昇率が高かった裏が出ることで、カップ麺(同▲3.2%)、調理カレー(同▲2.4%)、紅茶(同▲3.2%)など下落する品目もあり、食料の価格にはばらつきが見られる。

コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが0.55%(1月:0.86%)、食料(除く生鮮食品・外食)が1.26%(1月:1.16%)、その他財が0.57%(1月:0.51%)、サービスが0.63%(1月:0.68%)であった。
2.物価上昇品目数が3ヵ月連続で増加
3.コアCPI上昇率は当面3%前後で高止まり
コアCPI上昇率は2ヵ月連続で3%台となった。食料(生鮮食品を除く)は23年8月の前年比9.2%をピークに24年7月には同2.6%まで鈍化したが、その後は輸入物価の再上昇に米価格の高騰が加わったことから再び上昇率が高まり、25年1月は同5.6%となった。食料品値上げの動きはしばらく続く可能性が高いが、川上段階(輸入物価、国内企業物価)の食料品価格の上昇率は23年夏頃に比べれば低水準にとどまっている。現時点では、消費者物価の食料品価格の上昇率は6%台まで高まった後、頭打ちになると予想している。
一方、電気・都市ガス代の支援策は25年3月使用分(CPIヘの反映は4月)で終了(3月は値引き額が縮小)することから、エネルギー価格の上昇率は高止まりすることが見込まれる。コアCPI上昇率は、25年度入りには高校授業料の無償化によって押し下げられるものの、当面3%前後で高止まりすることが予想される。
一方、電気・都市ガス代の支援策は25年3月使用分(CPIヘの反映は4月)で終了(3月は値引き額が縮小)することから、エネルギー価格の上昇率は高止まりすることが見込まれる。コアCPI上昇率は、25年度入りには高校授業料の無償化によって押し下げられるものの、当面3%前後で高止まりすることが予想される。
(2025年03月21日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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