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- 1月の投信爆買いの反動か?~2025年2月の投信動向~
コラム
2025年03月11日
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外国株式の資金流入が急減
投資環境の影響か?
もともと1月はNISA口座、特に成長投資枠からの買付が膨らみ、インデックス型の外国株式ファンドの資金流入が急増していた。実際に証券10社のみの金額になるが、NISA口座から投信の買付が成長投資枠から1兆円程度あり、NISA口座全体からだと1.5兆円に迫っており、前年以上に投信の買付があった様子である【図表3】。NISA口座から投信の買付の大部分が、インデックス型の外国株式ファンドであったと思われる。
2月に成長投資枠からの買付が減少し、それに伴いインデックス型の外国株式ファンドの資金流入が鈍化したのは2024年と同じといえる。ただ、2025年は2024年と比べて1月に流入が大きかったが、2月の流入減少も大きく前年2月(【図表2】点線)を下回ったほどである。
2月に成長投資枠からの買付が減少し、それに伴いインデックス型の外国株式ファンドの資金流入が鈍化したのは2024年と同じといえる。ただ、2025年は2024年と比べて1月に流入が大きかったが、2月の流入減少も大きく前年2月(【図表2】点線)を下回ったほどである。
2月は米国株式を中心に世界的に株価が下落し、外国為替市場では月初に1ドル155円台だったのが月末に150円を下回るまで円高が進行した。インデックス型問わず、外国株式投信の多くで基準価額が大きく下落した。そのような状況の中、インデックス型の外国株式投信の購入を控える人が多かったのかもしれない。
ただし、一般販売されているアクティブ型の外国株式ファンドは2月に4,600億円の資金流入があり、1月の5,000億円から鈍化したものの、インデックス型に比べるとかなり小幅な減少であった。個別にみても、2月新設を含むNISA非対象のアクティブ型の外国株式ファンド(赤太字)の販売は比較的堅調だった様子である【図表4】。そのため、インデックス型の外国株式ファンドでは市場環境だけでなく、1月のNISA口座からの買付が2025年は特に大きかったため、その反動が2月以降にでているのかもしれない。
ただし、一般販売されているアクティブ型の外国株式ファンドは2月に4,600億円の資金流入があり、1月の5,000億円から鈍化したものの、インデックス型に比べるとかなり小幅な減少であった。個別にみても、2月新設を含むNISA非対象のアクティブ型の外国株式ファンド(赤太字)の販売は比較的堅調だった様子である【図表4】。そのため、インデックス型の外国株式ファンドでは市場環境だけでなく、1月のNISA口座からの買付が2025年は特に大きかったため、その反動が2月以降にでているのかもしれない。
NISA口座の成長投資枠からの投信の買付額は、証券10社で2025年1月は2024年1月の1.4倍に達していた。証券10社のNISA口座自体は2025年1月末に1,640万と2024年1月末の1,355万から1.2倍となっており、投信の買付額は口座数以上に増えた。つみたて投資枠からの買付についても、2025年1月は4,800億円と2024年12月の3,600億円から急増していた。単純に切りよく新年から積立をスタートさせる人が多かっただけかもしれないが、つみたて投資枠の特性を考えると、やや違和感がある増加であった。
先月から筆者は指摘しているが、2025年は2024年以上に成長投資枠だけでなくつみたて投資枠もボーナス設定等を活用して年初から積極的に使う人が増えている可能性がある。2月はその分、鈍化が大きかったと考えられ、インデックス型の外国株式ファンドの販売動向はそれを裏付けるような結果であったといえよう。
先月から筆者は指摘しているが、2025年は2024年以上に成長投資枠だけでなくつみたて投資枠もボーナス設定等を活用して年初から積極的に使う人が増えている可能性がある。2月はその分、鈍化が大きかったと考えられ、インデックス型の外国株式ファンドの販売動向はそれを裏付けるような結果であったといえよう。
金関連ファンドがじわじわ人気を集め出している
また、バランス型ファンドも1,000億円の資金流入があったが、1月の1,500億円から減少した。国内株式ファンドには1,800億円の資金流入があり、1月の500億円から増加した。しかし、日経平均株価が大きく下落する中、インデックス型を中心に逆張り投資の資金流入が大部分であったと推察される。一般販売されているアクティブ型の国内株式ファンドでは流出額こそ減少したが、2月も流出超過であった。
さらに外国債券ファンド、国内債券ファンド、外国REITファンド、国内REITファンドは一般販売されているものに限ると、引き続き流出超過であった。
このように2月はタイミング投資の影響を除くと、1月と比べて投信の販売が全体的に振るわなかったといえる。ただ、そのような中で金関連ファンド(【図表1】では「その他」に分類)の販売は堅調であった。2月に600億円の資金流入があるなど、金額こそ少額ではあるが2025年に入ってから増加基調が続いている【図表5】。先行きの不透明感が高まる中、金に注目する人が増えているのかもしれない。
さらに外国債券ファンド、国内債券ファンド、外国REITファンド、国内REITファンドは一般販売されているものに限ると、引き続き流出超過であった。
このように2月はタイミング投資の影響を除くと、1月と比べて投信の販売が全体的に振るわなかったといえる。ただ、そのような中で金関連ファンド(【図表1】では「その他」に分類)の販売は堅調であった。2月に600億円の資金流入があるなど、金額こそ少額ではあるが2025年に入ってから増加基調が続いている【図表5】。先行きの不透明感が高まる中、金に注目する人が増えているのかもしれない。
(2025年03月11日「研究員の眼」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
前山 裕亮のレポート
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