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老後の生活資金に影響?-DC一時金に適用される「5年ルール」見直しの背景

金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・ESG推進室兼任 高岡 和佳子
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確定拠出年金(DC)を一時金で受け取った後に、通常の退職金を受け取る際の課税ルールが、2026年1月1日から変更される。現在は、同年か「前年以前4年内」に受け取ったDC一時金と勤務期間が重複する場合に限り重複期間に応じて退職所得控除が減額されるが、2026年1月1日以降、対象となるDC一時金受け取り時期の範囲が「前年以前9年内」に拡大される。
この背景には、高齢者雇用の拡大による定年年齢の引き上げがある。通常の退職金の受け取り時期が遅くなった結果、DCの受け取り時期を選択できることで多額の退職所得控除を受けることが可能になったからだ。今回の変更は社会の変化に伴い生じた制度の歪みを解消するための変更であり、今後も社会の変化に応じた課税ルールの変更が予想される。制度の歪みを解消するための変更であっても、個人の退職後の資金計画に影響を及ぼすので、制度設計者には過度な影響が出ないよう緩和措置を講ずることを期待する。また、個人としても、課税ルールの変更による影響で老後の生活に支障をきたすことがないよう備えておくことが重要である。
■目次
1――確定拠出年金(DC)を一時金で受け取る場合の課税ルールの変更が繰り返される?
2――退職金およびDC一時金を受け取った場合の退職所得の決定方法
3――DC一時金を受け取る場合の特例
4――前回(2022年4月1日~)の課税ルールの見直し内容とその背景
5――今回(2026年1月1日~)の課税ルールの見直し内容とその背景
6――DCを一時金で受け取る場合の課税ルールの変更が繰り返される
(2025年02月03日「基礎研レター」)
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03-3512-1851
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
高岡 和佳子のレポート
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