2025年01月28日

住民参加における情報提供の課題-コミュニケーション不安を軽減するための双方向的・段階的情報提供の重要性-

社会研究部 研究員 島田 壮一郎

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■要旨

本レポートは、都市計画における住民参加を円滑に進めるための情報提供のあり方を考察したものである。住民参加では、計画の透明性や正当性を高めるために住民の意見を反映することが求められるが、その過程ではコミュニケーション不安が障壁となる場合が多い。本稿では、コミュニケーション不安の概念とその要因を分析し、これを軽減するための情報提供の手法について論じた。具体的には、情報提供を段階的に行い、参加者が計画の全体像を理解した上で議論に集中できる「段階的情報提供」と、参加者が質問や意見を自由に述べられる場を設ける「双方向的情報提供」の重要性を指摘している。これらの方法は、住民が主体的に議論に参加できる環境を整えるとともに、議論の質を向上させる効果がある。

■目次

1――はじめに
2――知識提供によるコミュニケーションの円滑化
  1|ワークショップにおけるコミュニケーション
  2|コミュニケーションを阻害する要因
  3|コミュニケーションモデル
  4|ワークショップにおける情報提供
3――コミュニケーション不安と情報提供
  1|情報提供がコミュニケーション不安を増加させる可能性
  2|適切な情報提供のために
  3|段階的な情報提供
  4|双方向的な情報提供
4――まとめ

(2025年01月28日「基礎研レポート」)

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社会研究部   研究員

島田 壮一郎 (しまだ そういちろう)

研究・専門分野
都市・地域計画、住民参加、コミュニケーション、合意形成

経歴
  • 【職歴】
     2022年 名古屋工業大学大学院 工学研究科 博士(工学)
     2022年 ニッセイ基礎研究所 入社
    【加入団体等】
     ・土木学会
     ・日本都市計画学会
     ・日本計画行政学会

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レポート紹介

【住民参加における情報提供の課題-コミュニケーション不安を軽減するための双方向的・段階的情報提供の重要性-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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