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- 英国GDP(2024年7-9月期)-前期比成長率は0.1%に大幅減速
2024年11月18日
1.結果の概要:7-9月期の成長率は前期比0.1%と大幅減速
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様。
2.結果の詳細:内需の核となる消費や投資はむしろ加速
英国の24年7-9月期の実質成長率は前期比0.1%(年率換算0.6%)となり、4-6月期(前期比0.5%、年率1.8%)から減速した。その結果、7-9月期の実質GDPの水準はコロナ禍前(19年10-12月)と比べて3.0%ほど高い水準まで回復した。ただし、ユーロ圏各国と比較すると相対的に回復は遅れている(図表2)。
前期比成長率を需要項目別に確認すると、個人消費が前期比0.5%(前期0.1%)、政府消費が0.6%(前期1.1%)、投資が1.1%(前期0.6%)、輸出が▲0.2%(前期▲0.3%)、輸入が▲1.5%(前期6.3%)、在庫変動等の前期比寄与度は▲0.94%ポイント(前期2.25%ポイント)、純輸出は同0.46%ポイント(前期▲2.20%ポイント)だった。輸出の低迷(特に7-9月期はサービス輸出が前期比▲1.0%(前期1.8%)と減少)が成長率の伸び悩みに寄与しており、内需の核となる消費や投資の伸びはむしろ加速している。
コロナ禍前比で見ると個人消費が2.0%、政府消費が10.2%、投資が4.9%、輸出が▲7.1%、輸入が4.6%で、輸出の回復が相対的に遅れている。なお、10月末の年次改定(ブルーブック2024)でコロナ禍後の消費が全体的に上方修正(貯蓄率が下方修正)されたため、コロナ禍比の消費水準が改定前のマイナスからプラスに転じている。
前期比成長率を需要項目別に確認すると、個人消費が前期比0.5%(前期0.1%)、政府消費が0.6%(前期1.1%)、投資が1.1%(前期0.6%)、輸出が▲0.2%(前期▲0.3%)、輸入が▲1.5%(前期6.3%)、在庫変動等の前期比寄与度は▲0.94%ポイント(前期2.25%ポイント)、純輸出は同0.46%ポイント(前期▲2.20%ポイント)だった。輸出の低迷(特に7-9月期はサービス輸出が前期比▲1.0%(前期1.8%)と減少)が成長率の伸び悩みに寄与しており、内需の核となる消費や投資の伸びはむしろ加速している。
コロナ禍前比で見ると個人消費が2.0%、政府消費が10.2%、投資が4.9%、輸出が▲7.1%、輸入が4.6%で、輸出の回復が相対的に遅れている。なお、10月末の年次改定(ブルーブック2024)でコロナ禍後の消費が全体的に上方修正(貯蓄率が下方修正)されたため、コロナ禍比の消費水準が改定前のマイナスからプラスに転じている。
成長率を部門ごとに確認すると、農林水産部門が前期比1.1%、生産部門が同▲0.2%、建設部門が0.8%、サービス部門が同0.1%となった。生産部門は減少したが、サービス部門はGDP並みの成長率となり、農林水産部門と建設部門は好調だった(図表3)。より細かい産業分類では、居住・飲食(0.9%)や専門サービス(0.7%)、卸・小売(0.6%)が好調な一方、電気・ガス(▲2.7%)や芸術・娯楽(▲1.6%)、その他サービス(▲1.6%)、水道(▲0.9%)は不振だった。
単月の状況を月次GDPで確認すると7月が前月比▲0.0%、8月が同0.2%、9月が同▲0.1%となり一進一退の推移となっている(図表4)。
単月の状況を月次GDPで確認すると7月が前月比▲0.0%、8月が同0.2%、9月が同▲0.1%となり一進一退の推移となっている(図表4)。
名目GDPは、7-9月期の前期比で0.8%(4-6月期は1.1%)、前年同期比で3.4%(前期3.3%)、デフレータは前期比0.7%(前期0.6%)、前年同期比2.4%(前期2.6%)となった(図表5)。インフレ圧力の低下を受け、GDPデフレータも緩慢ではあるが前年比伸び率の鈍化が続いている。
名目GDPを所得別に見ると、雇用者報酬が前期比0.8%(前期0.9%)、営業余剰は同0.3%(前期1.4%)となり、営業余剰の鈍化が目立った。
名目GDPを所得別に見ると、雇用者報酬が前期比0.8%(前期0.9%)、営業余剰は同0.3%(前期1.4%)となり、営業余剰の鈍化が目立った。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年11月18日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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