- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 資産運用・資産形成 >
- 資産運用 >
- 老後に資産運用を止める必要があるのか-毎月定額を引き出しつつも投資継続で経済的により豊かな老後生活ができるかも
老後に資産運用を止める必要があるのか-毎月定額を引き出しつつも投資継続で経済的により豊かな老後生活ができるかも

金融研究部 熊 紫云
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 人生100年時代で、セカンドライフの期間は意外と長い。退職金や資産形成で積み上げてきた資金を預貯金として、そこから引き出して、そのまま生活費として使うと、一定期間後に資金が尽きてしまうかもしれない。
長生きした場合の資金枯渇リスクを考えると、老後の生活資金の確保が大切となってくる。老後は働いていた時より時間が自由に使えるので、お金があれば、やりたいことができて余暇や趣味をもっと楽しむこともできるため、老後の生活資金は思っている以上に必要となるかもしれない。
このレポートでは、経済的により余裕のある老後生活を心配なく送ることを最終目的とすると、預貯金だけでなく、株式インデックス投資を活用した方が良いかもしれないことを紹介したい。
- 具体例として、65歳など退職時点に100万円程度の緊急用の資金以外に、老後生活用の2,400万円の資産があると仮定して、過去のデータを用いて、25年間にわたってS&P500に連動する米国株式インデックスと預貯金に配分し、毎月8万円を引き出すシミュレーションをした。その結果、2,400万円をすべて預貯金にするより、75%以上を株式インデックスに配分し、毎月株式資産と預貯金から4万円ずつを引き出す方が、資金が枯渇するリスクを回避し、かつ、25年後の最終時価残高が相当大きくなる可能性が高いことが分かった。
- ご自分自身の状況に合わせて、老後の資産運用と引き出し方法については判断すべきものではあるが、平均寿命と平均余命が年々伸びていることを踏まえると、老後生活を経済的により豊かにしたい人、子孫に財産を残したいと考えている人、資産をより大きくしたい人等は、65歳になっても、株式インデックス投資を継続する方が得策であるかもしれない。このレポートを機に、老後資金の資産運用について、改めて考えていただくきっかけとなれば幸いである。
■目次
はじめに
1――2,400万円で運用しながら、毎月8万円を引き出すとどうなるのか
2――株式投資1,800万円、預貯金600万円の場合の残高推移
3――株式投資の最悪ケースでも、毎月最大いくら引き出せるか
4――25年間、投資元本を下回ることがどのくらいあるのか
5――目的地に着陸するか、それとも飛行を継続するのか
(2024年07月18日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
金融研究部
熊 紫云
熊 紫云のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/18 | 長期投資の対象、何が良いのか-S&P500、ナスダック100、先進国株式型で良かった | 熊 紫云 | 基礎研レター |
2025/03/14 | 株式インデックス投資において割高・割安は気にするべきか-長期投資における判断基準について考える | 熊 紫云 | 基礎研レポート |
2025/01/22 | 日本の株式インデックスは長期投資に向いているのか~なぜ海外の主要な株式インデックスは上昇してきたのか | 熊 紫云 | 基礎研レポート |
2024/11/26 | 新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか~なぜ米国株式型が強かったのか~ | 熊 紫云 | ニッセイ景況アンケート |
新着記事
-
2025年03月26日
語られる空き家、照らされる人生-物語がもたらす価値の連鎖- -
2025年03月26日
決済デジタル化は経済成長につながったのか-デジタル決済がもたらす新たな競争環境と需要創出への道筋 -
2025年03月26日
インバウンド市場の現状と展望~コスパ重視の旅行トレンドを背景に高まる日本の観光競争力 -
2025年03月25日
ますます拡大する日本の死亡保障不足-「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」より- -
2025年03月25日
米国で広がる“出社義務化”の動きと日本企業の針路~人的資本経営の視点から~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【老後に資産運用を止める必要があるのか-毎月定額を引き出しつつも投資継続で経済的により豊かな老後生活ができるかも】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
老後に資産運用を止める必要があるのか-毎月定額を引き出しつつも投資継続で経済的により豊かな老後生活ができるかものレポート Topへ