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ドイツのリースター年金改革案に思う-終身性と安定性なくして年金制度の手本たりうるか-

保険研究部 主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任 磯部 広貴
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少子高齢化が進展する中、どの国の年金制度も今後の持続は難しい。ドイツでは今世紀初頭、公的年金の給付水準を引き下げつつ、政府による経済的援助とともに私的年金の拡大を図るリースター年金が導入された。
年金制度全体として所得代替率を維持し、高齢者の生活の安定を図る施策として高い評価を得た。わが国においても、年金制度の将来像を語るに際し手本として研究されてきた。
さりながら2023年に公表された改革案では、長生きリスクに備えるための終身年金は必須要件とされず、また、投資元本の保証率もゼロまで可能としている。その一方、加入対象者を拡大し中間層の資産形成手段に性質を変えつつある。
改革案通りに進んだ場合は年金制度よりも、新NISA-税制優遇措置とともにリスク性資産への投資を促す-などとの比較が自然になるのかもしれない。
■目次
1――はじめに
2――手本となったリースター年金とは
3――2023年の改革案
4――所見
(2024年04月30日「保険・年金フォーカス」)

03-3512-1789
- 【職歴】
1990年 日本生命保険相互会社に入社。
通算して10年間、米国3都市(ニューヨーク、アトランタ、ロサンゼルス)に駐在し、現地の民間医療保険に従事。
日本生命では法人営業が長く、官公庁、IT企業、リース会社、電力会社、総合型年金基金など幅広く担当。
2015年から2年間、公益財団法人国際金融情報センターにて欧州部長兼アフリカ部長。
資産運用会社における機関投資家向け商品提案、生命保険の銀行窓版推進の経験も持つ。
【加入団体等】
日本FP協会(CFP)
生命保険経営学会
一般社団法人 アフリカ協会
一般社団法人 ジャパン・リスク・フォーラム
2006年 保険毎日新聞社より「アメリカの民間医療保険」を出版
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