2023年05月15日

DB回帰も退職金制度の選択肢-リスク性資産頼みの企業型DCを前に-

保険研究部 主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任 磯部 広貴

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■要旨

2001年10月の誕生後、確定拠出年金制度は企業の退職金準備の仕組みとして定着した(以下、企業型DC)。掛金を拠出した後は企業に運用の責任が生じない企業型DCに対し、従前からあって従業員への給付額を約束する確定給付年金制度(以下、DB)は、企業会計上、積立不足額を債務として計上するため企業経営の不安定要素とされたことが背景にある。
 
企業型DCでは想定利回りに基づいて掛金が設定されているが、従業員の実際の運用成果が想定利回りを下回った場合、退職金総額は企業型DC導入前より削減された結果に陥る。
 
2014年以降、単年度でも加入来でも運用利回りは基本的に想定利回りを上回ってきたものの、リスク性資産によるところ大で、0%近傍の円金利資産では達成が難しい状況に置かれている。
 
企業においては退職金制度の関係者が、現状に満足せず先回りでこの問題を議論してはどうであろうか。DBも併用している企業の場合、企業型DCからDBへの回帰も選択肢となろう。

■目次

1――はじめに
2――退職金制度として企業での普及が進んだDC
3――想定利回りに達しないと退職金は従前より減少
4――企業型DCにおける資産運用の状況
5――課題および提言
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保険研究部   主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任

磯部 広貴 (いそべ ひろたか)

研究・専門分野
内外生命保険会社経営・制度(販売チャネルなど)

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