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DB回帰も退職金制度の選択肢-リスク性資産頼みの企業型DCを前に-
保険研究部 主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任 磯部 広貴
2001年10月の誕生後、確定拠出年金制度は企業の退職金準備の仕組みとして定着した(以下、企業型DC)。掛金を拠出した後は企業に運用の責任が生じない企業型DCに対し、従前からあって従業員への給付額を約束する確定給付年金制度(以下、DB)は、企業会計上、積立不足額を債務として計上するため企業経営の不安定要素とされたことが背景にある。
企業型DCでは想定利回りに基づいて掛金が設定されているが、従業員の実際の運用成果が想定利回りを下回った場合、退職金総額は企業型DC導入前より削減された結果に陥る。
2014年以降、単年度でも加入来でも運用利回りは基本的に想定利回りを上回ってきたものの、リスク性資産によるところ大で、0%近傍の円金利資産では達成が難しい状況に置かれている。
企業においては退職金制度の関係者が、現状に満足せず先回りでこの問題を議論してはどうであろうか。DBも併用している企業の場合、企業型DCからDBへの回帰も選択肢となろう。
■目次
1――はじめに
2――退職金制度として企業での普及が進んだDC
3――想定利回りに達しないと退職金は従前より減少
4――企業型DCにおける資産運用の状況
5――課題および提言
03-3512-1789
- 【職歴】
1990年 日本生命保険相互会社に入社。
通算して10年間、米国3都市(ニューヨーク、アトランタ、ロサンゼルス)に駐在し、現地の民間医療保険に従事。
日本生命では法人営業が長く、官公庁、IT企業、リース会社、電力会社、総合型年金基金など幅広く担当。
2015年から2年間、公益財団法人国際金融情報センターにて欧州部長兼アフリカ部長。
資産運用会社における機関投資家向け商品提案、生命保険の銀行窓版推進の経験も持つ。
【加入団体等】
日本FP協会(CFP)
生命保険経営学会
一般社団法人アフリカ協会
2006年 保険毎日新聞社より「アメリカの民間医療保険」を出版
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