2021年01月06日

不公平の解消が進むDC制度

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確定給付企業年金(DB)などの確定給付型の企業年金を併用する場合の企業型DCの拠出限度額が将来的に見直される。

DBを併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額は、DBに加入しない者との間で不公平が生じないよう、企業型DCのみの場合の拠出限度額(月額5.5万円)からDBの掛金相当額を控除した額とすることが基本的な考え方となっている。

しかし現状では、全てのDBの掛金相当額は月額2.75万円で一律に評価されており、加入者一人当たりの標準掛金額が2.75万円に満たないDBが9割強を占める実態との乖離が課題となっていた。

見直しにより、企業型DCの拠出限度額は月額5.5万円からDBごとの掛金相当額を控除した額に改められる。確定給付型を併用する多くの企業で、企業型DCの拠出限度額が上がることになる。併せて、DB加入者のiDeCoへの拠出限度額も、月額1.2万円(ただし、企業型DCの事業主掛金との合計で月額2.75万円以内)から、月額2万円(ただし、企業型DC・DBの事業主掛金との合計で月額5.5万円以内)に見直される。

昨年5月に成立した年金制度改正法により、企業型DC加入者のiDeCo加入が容易になることに加え、企業年金の実施状況の違いによる不公平が解消されることで、多くの企業でDCの有用性は増す。こうした中、従業員がDC制度を通じて効率的に資産形成を図れるよう、企業には従業員に対する支援の拡充が望まれる。
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(2021年01月06日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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