- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 資産運用・資産形成 >
- 資産運用 >
- 新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか-なぜ米国株式型が強かったのか
新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか-なぜ米国株式型が強かったのか

金融研究部 熊 紫云
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 2024年から新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がスタートした。積立投資だけでなく、一括投資もできるなど投資方法が柔軟になった。このレポートでは、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのかを考えた。
- 過去のデータを用いて、10年と20年の投資期間を前提に、代表的な市場インデックスに連動する国内債券型、米国株式型や先進国株式型などに投資した場合の試算を行った。
結果として、積立投資と一括投資とのリターンや元本割れリスクの差はあまりないが、一括投資に回した方が資産形成のスピードが速く、最終時価残高が大きくなる可能性が高いことが分かった。
- 実は、リターンがあまり変わらない積立投資と一括投資の選択よりも、適切な投資対象の選択の方がよほど重要である。
投資期間が10年と20年の場合、積立投資でも一括投資でも、最終時価残高の平均値は、大きい方から概ね米国株式型(S&P500やナスダック100)、先進国株式型、全世界株式型、外国債券型、日本株式型、国内債券型の順となっている。
10年とか20年以上の長期投資では、価格変動リスクが高くても、米国株式型、先進国株式型など、高いリターンが期待できる投資対象へ投資したほうが実際に大きい最終時価残高を獲得する可能性が高い。
なぜ米国株式が強かったかと言うと、米国企業が日常生活や仕事に欠かせない商品やサービスを世界中に提供しており、収益の成長源である技術革新や新商品を次々と生み出してきたからである。今後も、米国企業に代わる存在がそう簡単に現れることはないと思われるので、米国株式の強さは当面の間は続くであろうと考えている。
- 以上のことから、積立投資にせよ一括投資にせよ、投資期間が長くこれから資産形成を始めたい人や資金的に余裕のある人は、まず米国株式型(S&P500やナスダック100)、先進国株式型など、高いリターンが期待できる投資対象を検討すべきであると考える。
投資期間は長い方が良いので、新NISAや確定拠出年金等の税制優遇制度を積極的に活用して、なるべく早めに時間を味方に付けるべく、今すぐにでも投資をスタートしてみてはどうだろうか。
■目次
1――はじめに
2――同じ元本で、積立投資と一括投資を行った場合、いくらになるのか
3――積立投資と一括投資のリターンと元本割れリスク
4――米国株式型が何故良いパフォーマンスだったのか
5――まとめ
(2024年04月12日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
金融研究部
熊 紫云
熊 紫云のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/18 | 長期投資の対象、何が良いのか-S&P500、ナスダック100、先進国株式型で良かった | 熊 紫云 | 基礎研レター |
2025/03/14 | 株式インデックス投資において割高・割安は気にするべきか-長期投資における判断基準について考える | 熊 紫云 | 基礎研レポート |
2025/01/22 | 日本の株式インデックスは長期投資に向いているのか~なぜ海外の主要な株式インデックスは上昇してきたのか | 熊 紫云 | 基礎研レポート |
2024/11/26 | 新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか~なぜ米国株式型が強かったのか~ | 熊 紫云 | ニッセイ景況アンケート |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか-なぜ米国株式型が強かったのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか-なぜ米国株式型が強かったのかのレポート Topへ