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急速に導入が進むインドの再生可能エネルギー~2030年の国際公約達成を狙える位置に
経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠
インドで再生可能エネルギー(再エネ)の導入が進んでいる。低炭素化や大気汚染対策、エネルギー安全保障の確保、そして価格面でのメリットがあるためだ。
インド政府は2047年までにインドをエネルギー分野で自立させることを目標に掲げており、再エネ製造の国際競争力を高めて輸出産業を育成しようとしている。目標達成に向けて、インド政府はグリーン水素ミッションや再エネ装置の国内製造促進策などの再エネ導入策を進めている。
インドが今後も再エネ導入を積極的に進めていく上で課題はある。DISCOMをはじめとした電力セクターの改革には抵抗が付き物であり、課題解消には時間がかかる。また再エネ導入拡大には多額の投資が必要であり、資金調達コストを抑える必要があるが、今のところグリーン国債発行の有効性は高くない。
2024年2月時点の再エネの発電容量は183GWと、10年間で約2.5倍に増加、インド全体の発電容量の42%を占める。現在インド政府は、2023年度から5年間にわたって毎年50GWの再生可能エネルギー容量を増設する計画を進めており、「2030年までに非化石燃料エネルギー容量を500GWまで増加」の国際公約の達成が視野に入る位置にある。
■目次
1――はじめに
2――インドの再生可能エネルギー導入拡大の背景
・エネルギー需要の増大
・エネルギー安全保障
・気候変動と大気汚染
・経済合理性
3――インドと中国の再生可能エネルギーの動向
4――再エネ導入に向けた政策・取組み
・国家グリーン水素ミッション
・再生可能エネルギー装置の国内製造促進策
・屋根置き型太陽光発電設備の設置促進策
5――再エネ導入に向けた今後の課題と行方
03-3512-1780
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
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