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過去最高の新契約保険料収入となった米国個人生命保険販売-2024年、2025年も5%成長予想-

保険研究部 上席研究員 兼 気候変動リサーチセンター 気候変動調査部長 有村 寛
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1――米国個人生命保険2023年の新契約販売業績の概況
1 LIMRA ニュースリリース「U.S. Life Insurance Premium Sets New Record in 2023」(2024年3月14日)、「U.S. Retail Individual Life Insurance Sales Survey - Summary Report」(4Q 2023)。
2 LIMRA資料ではAnnualized Premiumと表記されている。
3 なお、LIMRAによれば、上記データの米国生保市場のカバー率は、新契約年換算保険料で85%、新契約高で90%、新契約件数で60%である。
4 前掲注釈1記載のLIMRA ニュースリリース(2024年3月14日)。
2――LIMRA、2024-2025年はそれぞれ5%成長と予想
これまで何度か紹介してきた6とおり、「今後1年で生命保険への加入意向を持つ人」の割合は過去最高水準に達しているとの調査結果もある7中では、「ニーズは十分に取り込めていない」との見方もある8が、「ニーズが業績を支えている」とも考えられる。
一方、2024-2025年の業績について、インフレ圧力等を背景にそれぞれ2.5%、2.1%の増加(収入保険料ベース)に留まるとの見方9や、大統領選挙の行方等、先行きが見とおし辛い部分もあり、今後の米国経済、また、米国個人生命保険販売はどうなっていくのか、注目されるところである。状況については引き続き、注視して参りたい。
5 「図表3」の各数値は、前掲注釈1記載のLIMRA ニュースリリース(2024年3月14日)に記載されているが、同ニュースリリースではインデックス連動ユニバーサル保険について2025年の数値の記述がないため、ここでは「-」と記載している。
6 小著「堅調を維持している2023年上期米国個人生命保険販売」『保険・年金フォーカス』(2023年11月28日)(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=76836?site=nli)、「2024-2025年も成長が見込まれる米国個人生命保険販売」『保険・年金フォーカス』(2024年1月16日)(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=77256?site=nli)。
7 LIMRAニュースリリース「New Study Shows Interest in Life Insurance at All-Time High in 2023」(2023年4月24日)によれば、「今後1年で生命保険への加入の意向を持っている人は、過去最高の39%に達した、中でもZ世代(1997-2012年生まれ)とミレニアル世代(1981-1996年生まれ)は、それぞれ44%、50%とさらに高い」、とされている。
8 LIMRAニュースリリース「Three Misconceptions May Deter Americans from Getting the Life Insurance They Need」(2023年9月5日)。なお、当ニュースリリースでは、「保険加入の意図」を「保険加入へのアクション」に変えるためには「保険に対する誤解を解く」ことが必要、とされている。
9 Fitch Solutions Group Limited, BMI United States Insurance Reports(2024年1月29日)。なお、同(2023年10月25日付)では、2024-2025年の業績について、1.8%、2.4%としており、2024年については、より前向きな予想に修正されている。
(2024年03月26日「保険・年金フォーカス」)
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03-3512-1822
- 【職歴】
1989年 日本生命入社
1990年 ニッセイ基礎研究所 総合研究部
1995年以降、日本生命にて商品開発部、法人営業企画部(商品開発担当)、米国日本生命(出向)、企業保険数理室、ジャパン・アフィニティ・マーケティング(出向)、企業年金G等を経て、2021年 ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月より現職
2023年~ 大阪経済大学経済学部非常勤講師
有村 寛のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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