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- マイナス金利解除後の円相場の行方は?~マーケット・カルテ4月号
2024年03月21日
ドル円は、月初1ドル150円台半ばでスタートした後、日銀による3月の政策正常化観測によって円高に振れ、11日には146円台を付けた。その後は米物価の上振れを受けて持ち直し、19日の日銀決定会合の結果公表前には149円台を回復。同会合では、本来円高要因であるマイナス金利の解除やYCCの撤廃などが決まったが、事前の織り込みが大いに進んでいたことに加え、声明文に「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」と明記されて長期国債買入れ額も維持されたことから、「日米金利差は当面縮小しにくい」との見方が台頭し、20日には151円台半ばまで円安が進行した。その後、FOMCで示された内容が「警戒されていたほど利下げに後ろ向きではない」と受け止められ、足元では150円台後半へとドルが弱含んでいる。
植田日銀総裁は、追加利上げの条件として「基調的な物価上昇率の上昇」や「物価見通しの上振れ」を挙げていることから、今後、経済・物価に関する前向きな材料が出た際には、追加利上げ観測による円高圧力の発生が想定される。しかし、現時点では物価上昇がどんどん加速していくとは見込まれず、利上げを急ぐ必要はない。また、さらなる利上げは、既存の住宅ローン債務者の負担増大に繋がりかねないことなどから、日銀は見極めに慎重を期すだろう。数カ月内に追加利上げに至る可能性は低いと見ている。
一方、FRBは当面利下げ開始に慎重な姿勢を維持するとみられ、ドル円は堅調な展開が予想される。ただし、5月には、FRBの利下げ開始が視野に入ってくることでドル安圧力が高まると見ている。3カ月後の水準は145円前後と見込んでいる。
長期金利は月初0.7%台前半でスタートした後、日銀の正常化観測を受けてやや上昇したが、株高に伴う機関投資家のリバランス買い観測もあり、0.7%台で推移。日銀会合後も「当面の緩和的な金融環境の維持」が示唆されたことを受けて上昇せず、足元は0.7%台半ばにある。YCCが撤廃されたことで、今後は金利の上昇余地を探る動きが出やすくなるものの、日銀は当面、緩和的な金融環境の継続姿勢や国債買入れ額を維持するとみられ、金利上昇余地は限られるだろう。3ヵ月後の水準は0.8%台と予想している(ユーロ円に関する記述は割愛)。
植田日銀総裁は、追加利上げの条件として「基調的な物価上昇率の上昇」や「物価見通しの上振れ」を挙げていることから、今後、経済・物価に関する前向きな材料が出た際には、追加利上げ観測による円高圧力の発生が想定される。しかし、現時点では物価上昇がどんどん加速していくとは見込まれず、利上げを急ぐ必要はない。また、さらなる利上げは、既存の住宅ローン債務者の負担増大に繋がりかねないことなどから、日銀は見極めに慎重を期すだろう。数カ月内に追加利上げに至る可能性は低いと見ている。
一方、FRBは当面利下げ開始に慎重な姿勢を維持するとみられ、ドル円は堅調な展開が予想される。ただし、5月には、FRBの利下げ開始が視野に入ってくることでドル安圧力が高まると見ている。3カ月後の水準は145円前後と見込んでいる。
長期金利は月初0.7%台前半でスタートした後、日銀の正常化観測を受けてやや上昇したが、株高に伴う機関投資家のリバランス買い観測もあり、0.7%台で推移。日銀会合後も「当面の緩和的な金融環境の維持」が示唆されたことを受けて上昇せず、足元は0.7%台半ばにある。YCCが撤廃されたことで、今後は金利の上昇余地を探る動きが出やすくなるものの、日銀は当面、緩和的な金融環境の継続姿勢や国債買入れ額を維持するとみられ、金利上昇余地は限られるだろう。3ヵ月後の水準は0.8%台と予想している(ユーロ円に関する記述は割愛)。
(執筆時点:2024/3/21)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
(2024年03月21日「基礎研マンスリー」)
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