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- またしても1ドル150円突破、円安が進むワケ~マーケット・カルテ3月号
2024年02月16日
月初1ドル146円台でスタートしたドル円は円安が進み、足元では150円台前半に達している。150円突破は、32年ぶりであった2022年秋、2023年秋に続いて3度目ということになる。
150円突破の原動力としては、(1)堅調な経済指標や多くのFRB要人発言を受けた米国の3月利下げ観測の後退、(2)内田日銀副総裁による「マイナス金利解除後の緩和的な金融環境維持」方針示唆を受けた円高圧力の後退、(3)大幅な株高に伴うリスク選好的な円売り、(4)新NISA開始に伴う持続的な対外証券投資フローが挙げられる。
米利下げ観測の後退は進んだものの、依然5月までの利下げ観測も残っており、その修正が入ることでしばらくはドルが堅調に推移し、さらなるドル高進行も想定される。4月と目される日銀のマイナス金利解除・YCC撤廃も既に大方織り込み済みであり、その後も緩和的な金融環境が維持されるとみられることから、円高圧力は限定的に留まる。ただし、150円超では円買い介入への警戒感が円の下値を支える。さらに153~154円台に到達すれば、実弾介入が行われる可能性が高いとみられることから、急速な円安進行は考えにくい。
5月に入ると、FRBの利下げ開始(弊社予想は6月)が視野に入ることでドル安圧力が高まると見ている。3カ月後の水準は146円前後と見込んでいる。
月初1ユーロ158円台でスタートしたユーロ円も、ドル円同様上昇し、足元では161円台後半にある。日銀副総裁発言に伴う円高圧力の後退や、株高に伴うリスク選好的な円売りユーロ買いなどが作用した。当面は円高材料が見当たらず、ユーロの高止まりが想定されるものの、ドル円同様、5月入り後はECBの利下げ観測が次第に強まることがユーロ安に働くだろう。3カ月後の水準は160円弱と見込んでいる。
月初0.6%台後半でスタートした長期金利は、利下げ観測後退に伴う米金利上昇を受けてやや上昇し、足元では0.7%台前半にある。4月には日銀によるマイナス金利解除・YCC撤廃が金利上昇要因となるが、日銀は緩和的な金融環境を続ける方針を示唆していることから、上昇余地は限定的だろう。3ヵ月後の水準は0.8%台と予想している。
150円突破の原動力としては、(1)堅調な経済指標や多くのFRB要人発言を受けた米国の3月利下げ観測の後退、(2)内田日銀副総裁による「マイナス金利解除後の緩和的な金融環境維持」方針示唆を受けた円高圧力の後退、(3)大幅な株高に伴うリスク選好的な円売り、(4)新NISA開始に伴う持続的な対外証券投資フローが挙げられる。
米利下げ観測の後退は進んだものの、依然5月までの利下げ観測も残っており、その修正が入ることでしばらくはドルが堅調に推移し、さらなるドル高進行も想定される。4月と目される日銀のマイナス金利解除・YCC撤廃も既に大方織り込み済みであり、その後も緩和的な金融環境が維持されるとみられることから、円高圧力は限定的に留まる。ただし、150円超では円買い介入への警戒感が円の下値を支える。さらに153~154円台に到達すれば、実弾介入が行われる可能性が高いとみられることから、急速な円安進行は考えにくい。
5月に入ると、FRBの利下げ開始(弊社予想は6月)が視野に入ることでドル安圧力が高まると見ている。3カ月後の水準は146円前後と見込んでいる。
月初1ユーロ158円台でスタートしたユーロ円も、ドル円同様上昇し、足元では161円台後半にある。日銀副総裁発言に伴う円高圧力の後退や、株高に伴うリスク選好的な円売りユーロ買いなどが作用した。当面は円高材料が見当たらず、ユーロの高止まりが想定されるものの、ドル円同様、5月入り後はECBの利下げ観測が次第に強まることがユーロ安に働くだろう。3カ月後の水準は160円弱と見込んでいる。
月初0.6%台後半でスタートした長期金利は、利下げ観測後退に伴う米金利上昇を受けてやや上昇し、足元では0.7%台前半にある。4月には日銀によるマイナス金利解除・YCC撤廃が金利上昇要因となるが、日銀は緩和的な金融環境を続ける方針を示唆していることから、上昇余地は限定的だろう。3ヵ月後の水準は0.8%台と予想している。
(執筆時点:2024/2/16)
(2024年02月16日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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