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「大阪オフィス市場」の現況と見通し(2024年)

金融研究部 上席研究員 吉田 資
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1.はじめに
2.大阪オフィス市場の現況
大阪市のオフィス空室率は、2020 年4月の緊急事態宣言の発令以降、上昇基調で推移していたが、2023年に入り改善に向かった。三幸エステートによると、2024年3月時点の空室率は4.0%(前年比▲0.5%)となった(図表-1)。
空室率をビルの規模1別にみると、「大規模3.1%(前年比▲0.8%)」、「大型3.7%(同▲0.3%)」、「中型5.9%(同▲0.2%)」、「小型6.6%(同▲0.1%)」となり、すべての規模が前年から低下した(図表-2)。2023年は大規模ビルの新規供給が少ないなか、立地改善や建物設備のグレートアップ等を目的とした移転が増加し、空室の消化が進んだ。
1 三幸エステートの定義による。大規模ビルは基準階面積200坪以上、大型は同100~200坪未満、中型は同50~100坪未満、小型は同20~50坪未満。
2 賃料サイクルとは、縦軸に賃料、横軸に空室率をプロットした循環図。通常、(1)空室率低下・賃料上昇→(2)空室率上昇・賃料上昇→(3)空室率上昇・賃料下落→(4)空室率低下・賃料下落、と時計周りに動く。
2023年末時点で賃貸可能面積が最も大きいエリアは「梅田地区(34.5%)」で、次いで「淀屋橋・本町地区(30.9%)」、「船場地区(14.3%)」、「新大阪地区(10.2%)」、「心斎橋・難波地区(5.2%)」、「南森町地区(5.0%)」の順となっている(図表-8)。
賃貸可能面積は、「心斎橋・難波地区」(前年比+2.6千坪)と「淀屋橋・本町地区」(同+1.9千坪)で増加した一方、「梅田地区(同▲3.5千坪)」と「南森町地区(同▲0.9千坪)」で減少し、全体では前年末から横ばいであった。(図表-9)。
これに対して、賃貸面積は、「新大阪地区(前年比+9.4千坪)」、「梅田地区(同+7.7千坪)」、「淀屋橋・本町地区(同+3.7千坪)」「心斎橋・難波地区(同+2.6千坪)」等で増加した。この結果、空室面積は全体で▲21.5千坪の減少となった。
(2024年03月14日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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