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- 女性は「管理職」を目指さなければならないのか~女性のウェルビーイングの視点から考える~
2024年02月19日
■要旨
2010年代に入ってから、政府は「女性活躍」に旗を振り、企業は女性管理職の数値目標達成に向けて様々な取り組みを続けている。しかし、当の女性にとっては、「管理職に登用される=良いこと」なのだろうか。
勿論、どのように働くかは個人の自由だが、女性のウェルビーイングの視点から、筆者は「管理職を目指した方が、女性自身にとってメリットが大きい」と考える。
第一の理由は、女性の老後の貧困リスクを避けるためだ。現役時代に会社員だった女性の老後の暮らしに目を向けると、収入の柱となる厚生年金の受給額は、平均で月9~10万円に過ぎず、男性よりはるかに低水準である。未婚や離別した女性には、厳しい生活が予想される。実際に、一人暮らしの女性は貧困率が4割超という研究もある。資産も潤沢ではない。より処遇の高い管理職を目指す方が、貧困リスクを回避できる。
第二の理由は、管理職という経験が、本人の人生にとって、プラスになると考えられるからである。定年後研究所とニッセイ基礎研究所が昨年10月に行ったインターネット調査では、大企業に勤め、管理職経験がある中高年女性の約7割が、「管理職の仕事は人生経験としてプラスだ」と回答した。非管理職では経験できなかったこと、管理職になって初めて見えてきたことがあるからだろう。
「女性活躍」という言葉と、自身の状況に距離感を感じる女性も多いと思うが、現在の状況がどうであれ、中高年女性にとって“老後”は間もなくやってくる。働けるのは今のうちだ。安心した老後を迎えるため、また、女性にとって人生の経験値になる「何か」を得るために、長い職業人生の後半に、「管理職」の景色を覗いてみても、良いのではないだろうか。
■目次
1――はじめに
2――女性の老後の暮らし
2-1│女性の厚生年金受給額は月9~10万円がピーク
2-2│一人暮らしの高齢女性は貧困率が高い
2-3│一人暮らしの高齢女性の3割は貯蓄200万円未満
3――管理職に就いた方が女性にとってメリットが大きい
3-1│管理職の方が賃金が高い
3-2│管理職経験は自身の人生にとってプラス
4――終わりに
2010年代に入ってから、政府は「女性活躍」に旗を振り、企業は女性管理職の数値目標達成に向けて様々な取り組みを続けている。しかし、当の女性にとっては、「管理職に登用される=良いこと」なのだろうか。
勿論、どのように働くかは個人の自由だが、女性のウェルビーイングの視点から、筆者は「管理職を目指した方が、女性自身にとってメリットが大きい」と考える。
第一の理由は、女性の老後の貧困リスクを避けるためだ。現役時代に会社員だった女性の老後の暮らしに目を向けると、収入の柱となる厚生年金の受給額は、平均で月9~10万円に過ぎず、男性よりはるかに低水準である。未婚や離別した女性には、厳しい生活が予想される。実際に、一人暮らしの女性は貧困率が4割超という研究もある。資産も潤沢ではない。より処遇の高い管理職を目指す方が、貧困リスクを回避できる。
第二の理由は、管理職という経験が、本人の人生にとって、プラスになると考えられるからである。定年後研究所とニッセイ基礎研究所が昨年10月に行ったインターネット調査では、大企業に勤め、管理職経験がある中高年女性の約7割が、「管理職の仕事は人生経験としてプラスだ」と回答した。非管理職では経験できなかったこと、管理職になって初めて見えてきたことがあるからだろう。
「女性活躍」という言葉と、自身の状況に距離感を感じる女性も多いと思うが、現在の状況がどうであれ、中高年女性にとって“老後”は間もなくやってくる。働けるのは今のうちだ。安心した老後を迎えるため、また、女性にとって人生の経験値になる「何か」を得るために、長い職業人生の後半に、「管理職」の景色を覗いてみても、良いのではないだろうか。
■目次
1――はじめに
2――女性の老後の暮らし
2-1│女性の厚生年金受給額は月9~10万円がピーク
2-2│一人暮らしの高齢女性は貧困率が高い
2-3│一人暮らしの高齢女性の3割は貯蓄200万円未満
3――管理職に就いた方が女性にとってメリットが大きい
3-1│管理職の方が賃金が高い
3-2│管理職経験は自身の人生にとってプラス
4――終わりに
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経歴
- 【職歴】
2002年 読売新聞大阪本社入社
2017年 ニッセイ基礎研究所入社
【委員活動】
2023年度~ 「次世代自動車産業研究会」幹事
2023年度 日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員
公式SNSアカウント
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