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- 2023年10-12月期の実質GDP~前期比0.2%(年率0.9%)を予測~
2024年01月31日
● 10-12月期は年率0.9%のプラス成長を予測
2023年10-12月期の実質GDPは、前期比0.2%(前期比年率0.9%)と2四半期ぶりのプラス成長になったと推計される1。
2023年度に入り低迷が続いていた民間消費(前期比0.2%)、設備投資(同0.8%)が3四半期ぶりに増加したことなどから、国内需要が3四半期ぶりの増加となった。財輸出は低迷したが、サービス輸出の高い伸びを主因として財貨・サービスの輸出が前期比1.5%となり、財貨・サービスの輸入(同1.3%)を上回ったことから、外需も前期比・寄与度0.1%(年率0.2%)と小幅ながら成長率を押し上げた。
実質GDP成長率への寄与度(前期比)は、国内需要が0.2%(うち民需0.2%、公需▲0.0%)、外需が0.1%と予測する。
名目GDPは前期比0.6%(前期比年率2.6%)となり、実質の伸びを上回るだろう。GDPデフレーターは前期比0.4%(7-9月期:同0.3%)、前年比4.1%(7-9月期:同5.3%)と予測する。輸入物価上昇に伴う財価格の上昇に加え、人件費の増加を背景にサービス価格も上昇していることから、国内需要デフレーターが前期比0.4%(7-9月期:同0.3%)と12四半期連続で上昇した。
この結果、2023年(暦年)の実質GDPは前年比1.9%(2022年は1.0%)、名目GDPは前年比5.9%(2022年は1.3%)といずれも3年連続のプラス成長となることが見込まれる。名目GDP成長率は1991年(6.5%)2 以来32年ぶりの高さとなるだろう。
2023年10-12月期は2四半期ぶりのプラス成長となったが、7-9月期の落ち込みを取り戻すには至らず、景気の回復ペースは依然として緩やかなものにとどまっている。2024年1-3月期は、海外経済の減速を背景に輸出が低迷し、民間消費、設備投資などの国内民間需要も低い伸びにとどまることから、現時点では年率ゼロ%台の前期比低成長を予想している。
1 1/31までに公表された経済指標をもとに予測している。今後公表される経済指標の結果によって予測値を修正する可能性がある。
2 「2015年基準支出側GDP系列簡易遡及」による
2023年度に入り低迷が続いていた民間消費(前期比0.2%)、設備投資(同0.8%)が3四半期ぶりに増加したことなどから、国内需要が3四半期ぶりの増加となった。財輸出は低迷したが、サービス輸出の高い伸びを主因として財貨・サービスの輸出が前期比1.5%となり、財貨・サービスの輸入(同1.3%)を上回ったことから、外需も前期比・寄与度0.1%(年率0.2%)と小幅ながら成長率を押し上げた。
実質GDP成長率への寄与度(前期比)は、国内需要が0.2%(うち民需0.2%、公需▲0.0%)、外需が0.1%と予測する。
名目GDPは前期比0.6%(前期比年率2.6%)となり、実質の伸びを上回るだろう。GDPデフレーターは前期比0.4%(7-9月期:同0.3%)、前年比4.1%(7-9月期:同5.3%)と予測する。輸入物価上昇に伴う財価格の上昇に加え、人件費の増加を背景にサービス価格も上昇していることから、国内需要デフレーターが前期比0.4%(7-9月期:同0.3%)と12四半期連続で上昇した。
この結果、2023年(暦年)の実質GDPは前年比1.9%(2022年は1.0%)、名目GDPは前年比5.9%(2022年は1.3%)といずれも3年連続のプラス成長となることが見込まれる。名目GDP成長率は1991年(6.5%)2 以来32年ぶりの高さとなるだろう。
2023年10-12月期は2四半期ぶりのプラス成長となったが、7-9月期の落ち込みを取り戻すには至らず、景気の回復ペースは依然として緩やかなものにとどまっている。2024年1-3月期は、海外経済の減速を背景に輸出が低迷し、民間消費、設備投資などの国内民間需要も低い伸びにとどまることから、現時点では年率ゼロ%台の前期比低成長を予想している。
1 1/31までに公表された経済指標をもとに予測している。今後公表される経済指標の結果によって予測値を修正する可能性がある。
2 「2015年基準支出側GDP系列簡易遡及」による
● 主な需要項目の動向
・民間消費~3四半期ぶりの増加も、均せば横ばい圏の動き~
民間消費は前期比0.2%と3四半期ぶりの増加を予測するが、2四半期連続で減少した後としては低い伸びにとどまるだろう。
物価高の悪影響が続いていることに加え、コロナ禍で高水準となっていた家計貯蓄率が大きく低下し(2023年1-3月期:0.3%、4-6月期:0.1%、7-9月期:▲0.2%)、貯蓄率の引き下げによる押し上げ効果が一巡したことも消費の停滞につながっている。
民間消費は前期比0.2%と3四半期ぶりの増加を予測するが、2四半期連続で減少した後としては低い伸びにとどまるだろう。
物価高の悪影響が続いていることに加え、コロナ禍で高水準となっていた家計貯蓄率が大きく低下し(2023年1-3月期:0.3%、4-6月期:0.1%、7-9月期:▲0.2%)、貯蓄率の引き下げによる押し上げ効果が一巡したことも消費の停滞につながっている。
・民間設備投資~3四半期ぶりの増加~
民間設備投資は前期比0.8%と3四半期ぶりの増加を予測する。
設備投資の一致指標である投資財出荷指数(除く輸送機械)は2023年7-9月期の前期比▲3.9%の後、10-12月期は同1.7%となった。また、機械投資の先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)は2023年7-9月期に前期比▲1.8%と2四半期連続の減少となった後、10、11月の平均は7-9月期を▲1.0%下回っている。日銀短観2023年12月調査では、2023年度の設備投資計画(全規模・全産業、含むソフトウェア・研究開発投資額、除く土地投資額)が9月調査(前年度比13.3%)から▲0.6%下方修正されたが、前年度比12.6%の高い伸びとなった。
設備投資は、輸出、生産活動の停滞を反映し、2023年度入り後弱い動きとなっていたが、2023年10-12月期は3四半期ぶりに増加したとみられる。設備投資は、高水準の企業収益を背景に基調としては底堅さを維持していると判断される。
民間設備投資は前期比0.8%と3四半期ぶりの増加を予測する。
設備投資の一致指標である投資財出荷指数(除く輸送機械)は2023年7-9月期の前期比▲3.9%の後、10-12月期は同1.7%となった。また、機械投資の先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)は2023年7-9月期に前期比▲1.8%と2四半期連続の減少となった後、10、11月の平均は7-9月期を▲1.0%下回っている。日銀短観2023年12月調査では、2023年度の設備投資計画(全規模・全産業、含むソフトウェア・研究開発投資額、除く土地投資額)が9月調査(前年度比13.3%)から▲0.6%下方修正されたが、前年度比12.6%の高い伸びとなった。
設備投資は、輸出、生産活動の停滞を反映し、2023年度入り後弱い動きとなっていたが、2023年10-12月期は3四半期ぶりに増加したとみられる。設備投資は、高水準の企業収益を背景に基調としては底堅さを維持していると判断される。
・公的固定資本形成~2四半期連続の減少~
公的固定資本形成は前期比▲0.3%と2四半期連続の減少を予測する。
公的固定資本形成は前期比▲0.3%と2四半期連続の減少を予測する。
・外需~成長率を押し上げ~
外需寄与度は前期比0.1%(前期比年率0.2%)と2四半期ぶりのプラスを予測する。輸出が前期比1.5%の増加となり、輸入の伸び(同1.3%)を上回ったことから、外需は成長率の押し上げ要因となった。財輸出は低迷したが、知的財産権等使用料の大幅増加を主因としてサービス輸出が高い伸びとなったことが財貨・サービスの輸出を押し上げた。
外需寄与度は前期比0.1%(前期比年率0.2%)と2四半期ぶりのプラスを予測する。輸出が前期比1.5%の増加となり、輸入の伸び(同1.3%)を上回ったことから、外需は成長率の押し上げ要因となった。財輸出は低迷したが、知的財産権等使用料の大幅増加を主因としてサービス輸出が高い伸びとなったことが財貨・サービスの輸出を押し上げた。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2024年01月31日「Weekly エコノミスト・レター」)
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