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- 米個人所得・消費支出(23年12月)-個人消費(前月比)が+0.7%と前月、市場予想を上回る
2024年01月29日
1.結果の概要:個人所得(前月比)は市場予想に一致、個人消費は市場予想を上回る
1月26日、米商務省の経済分析局(BEA)は12月の個人所得・消費支出統計を公表した。個人所得(名目値)は前月比+0.3%(前月:+0.4%)と前月を下回った一方、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.3%に一致した(図表1)。個人消費支出は前月比+0.7%(前月改定値:+0.4%)と+0.2%から上方修正された前月を上回ったほか、市場予想の+0.5%も上回った。価格変動の影響を除いた実質個人消費支出(前月比)は+0.5%(前月改定値:+0.5%)と+0.3%から上方修正された前月に一致、市場予想の+0.3%を上回った(図表5)。貯蓄率1は3.7%(前月:4.1%)と前月から▲0.4%ポイント低下した。
価格指数は、総合指数が前月比+0.2%(前月:▲0.1%)と前月を上回った一方、市場予想(+0.2%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は前月比+0.2%(前月:+0.1%)とこちらも前月を上回った一方、市場予想(+0.2%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+2.6%(前月:+2.6%)と前月、市場予想(+2.6%)に一致した。コア指数は+2.9%(前月:+3.2%)と前月、市場予想(+3.0%)を下回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
価格指数は、総合指数が前月比+0.2%(前月:▲0.1%)と前月を上回った一方、市場予想(+0.2%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は前月比+0.2%(前月:+0.1%)とこちらも前月を上回った一方、市場予想(+0.2%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+2.6%(前月:+2.6%)と前月、市場予想(+2.6%)に一致した。コア指数は+2.9%(前月:+3.2%)と前月、市場予想(+3.0%)を下回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
2.結果の評価:個人消費は堅調を維持する一方、物価上昇圧力は緩和
個人消費(前月比)の名目ベースは10月に横這いとなった後、11月の+0.4%から12月はさらに+0.7%へ加速するなど、年末商戦が好調であったことを確認した(図表1)。
これに対して、個人所得(前月比)は11月の+0.4%から12月に+0.3%へ低下するなど、可処分所得の伸びが個人消費を下回った結果、貯蓄率は3.7%と22年12月以来の水準に低下した。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は総合指数では前月比が前月から上昇したほか、前年同月比が前月並みの伸びとなり、低下基調が一服したものの、物価の基調を示すコア指数では前月比では前月から上昇したものの、前年同月比は+2.9%と依然としてFRBの物価目標である2%を大幅に上回っているものの、21年3月以来となる2%台に低下しており、物価上昇圧力が緩和していることを確認した。
これに対して、個人所得(前月比)は11月の+0.4%から12月に+0.3%へ低下するなど、可処分所得の伸びが個人消費を下回った結果、貯蓄率は3.7%と22年12月以来の水準に低下した。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は総合指数では前月比が前月から上昇したほか、前年同月比が前月並みの伸びとなり、低下基調が一服したものの、物価の基調を示すコア指数では前月比では前月から上昇したものの、前年同月比は+2.9%と依然としてFRBの物価目標である2%を大幅に上回っているものの、21年3月以来となる2%台に低下しており、物価上昇圧力が緩和していることを確認した。
3.所得動向:可処分所得の伸びが鈍化
12月の個人所得(前月比)は賃金・給与が+0.4%(前月:+0.6%)と堅調を維持したものの、前月から伸びが鈍化した(図表2)。その他の所得項目では、利息配当収入が+0.3%(前月:+0.8%)と前月から伸びが鈍化したほか、自営業所得が▲0.1%(前月:+0.4%)とマイナスに転じた。一方、移転所得は▲横這い(前月:▲0.4%)と7ヵ月連続でマイナスとなったものの、マイナス幅は縮小した。
個人所得から税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、12月の名目が+0.3%(前月:+0.4%)と前月から小幅ながら伸びが鈍化した(図表3)。一方、価格変動の影響を除いた実質ベース(前月比)も+0.1%(前月:+0.5%)と伸びが鈍化した。
個人所得から税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、12月の名目が+0.3%(前月:+0.4%)と前月から小幅ながら伸びが鈍化した(図表3)。一方、価格変動の影響を除いた実質ベース(前月比)も+0.1%(前月:+0.5%)と伸びが鈍化した。
4.消費動向:自動車関連が大幅に増加
12月の名目個人消費(前月比)は、サービス消費が+0.6%(前月:+0.6%)と前月並みの堅調な伸びを維持したほか。財消費が+0.9%(前月:▲0.1%)と前月からプラスに転じて個人消費全体を押し上げた(図表4)。
財消費は、耐久財が+1.1%(前月:+0.7%)と前月から伸びが加速したほか、非耐久財が+0.8%(前月:▲0.6%)とこちらは前月からプラスに転じた。
耐久財では、家具・家電が+0.5%(前月:+1.0%)と前月から伸びが鈍化した一方、娯楽財・スポーツカーが+1.0%(前月:+1.0%)と前月並みの堅調な伸びを維持した。さらに、自動車・自動車部品が+1.7%(前月:横這い)と前月から大幅に伸びが加速して耐久財消費全体を押し上げた。
非耐久財では食料・飲料が+0.5%(前月:+0.4%)、衣料・靴が+1.6%(前月:+0.3%)と前月から伸びが加速したほか、ガソリン・エネルギーが+1.9%(前月:▲7.6%)と前月からプラスに転じて非耐久財消費全体を押し上げた。
サービス消費は、住宅・公共料金が+0.3%(前月:+0.7%)、外食・宿泊が横這い(前月:+1.3%)と前月から伸びが鈍化した一方、医療サービスが+0.5%(前月:+0.3%)、輸送サービスが+1.3%(前月:+0.4%)、娯楽サービスが+1.8%(前月:+1.3%)、金融サービスが+1.4%(前月:+0.8%)と前月から伸びが加速するなど、マチマチの結果となった。
財消費は、耐久財が+1.1%(前月:+0.7%)と前月から伸びが加速したほか、非耐久財が+0.8%(前月:▲0.6%)とこちらは前月からプラスに転じた。
耐久財では、家具・家電が+0.5%(前月:+1.0%)と前月から伸びが鈍化した一方、娯楽財・スポーツカーが+1.0%(前月:+1.0%)と前月並みの堅調な伸びを維持した。さらに、自動車・自動車部品が+1.7%(前月:横這い)と前月から大幅に伸びが加速して耐久財消費全体を押し上げた。
非耐久財では食料・飲料が+0.5%(前月:+0.4%)、衣料・靴が+1.6%(前月:+0.3%)と前月から伸びが加速したほか、ガソリン・エネルギーが+1.9%(前月:▲7.6%)と前月からプラスに転じて非耐久財消費全体を押し上げた。
サービス消費は、住宅・公共料金が+0.3%(前月:+0.7%)、外食・宿泊が横這い(前月:+1.3%)と前月から伸びが鈍化した一方、医療サービスが+0.5%(前月:+0.3%)、輸送サービスが+1.3%(前月:+0.4%)、娯楽サービスが+1.8%(前月:+1.3%)、金融サービスが+1.4%(前月:+0.8%)と前月から伸びが加速するなど、マチマチの結果となった。
5.価格指数:エネルギー価格(前月比)が3ヵ月ぶりにプラス転換
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(2024年01月29日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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