2023年10月25日

マンションと大規模修繕(4)~マンション管理は資産運用、所有者は積極的取り組むべき

金融研究部 准主任研究員 渡邊 布味子

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■要旨

分譲マンション所有者は管理に無関心な人が多い。また、マンション所有者が責任や負担が重い役員になることを嫌がることも理解はできる。しかし、マンションの資産価値の維持にはマンションの建物としての適切な管理や修繕が不可欠である。
 
分譲マンションの場合、マンション所有者の管理組合への加入は義務であり 、マンション管理に関する意思決定は管理組合が行う。管理組合の運営の中心となるのが理事会とその役員である。だからといって、多くの組合員が理事会に任せきりでマンション管理に無関心でいると、

(1) 理事長等の役員の負担が増し、なってもよいという人がいなくなる
(2) 問題が先送りにされる
(3) 理事会・理事長らの誤った判断を抑制できない

などのマンションの資産価値に悪影響が生じる可能性が高くなる。
 
マンション所有では良好な管理をすることがマンション自体の価値を守るためには不可欠であり、すべてを他人任せにすべきではない。分譲マンションは戸建てに比べて維持管理が簡単だから選択したという人も多いと思うが、戸建てと同様に快適な居住空間や環境を維持するのは管理組合ではなく、同じマンションに住む住人や所有者であることを認識すべきである。戸建ては自己責任で自分が決断すればなんとか対応できるが、ある程度大きな分譲マンションでは実は自分だけでは何もできない。
 
自分が現在役員でなかったとしても、楽をして他人任せにせずに、日頃から皆で負担を分け合うほうが、結果的に将来の合意形成が楽になり、長期的に円滑なマンション管理を実施することができる。そして、マンション管理を円滑に行うことができれば、各々の組合員が所有するマンションはより長期的に快適に暮らすことができ、それぞれの価値もより長く維持できることになるだろう。

■目次

・分譲マンション所有者は管理に無関心な人が多い
・理事会役員の負担は大きい
・管理に無関心な組合員が多いと、マンションの資産価値に悪影響が生じる場合がある
・役員以外の組合員も管理に積極的であるべきだ
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金融研究部   准主任研究員

渡邊 布味子 (わたなべ ふみこ)

研究・専門分野
不動産市場、不動産投資

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