2023年09月15日

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■要旨
 
  • ニッセイ基礎研究所が8月に20~74歳を対象にサステナビリティに関わる意識について調査をしたところ、キーワードの認知度では「SDGs」(70.0%)や「再生可能エネルギー」(56.7%)、「フードロス」(49.0%)、「カーボンニュートラル」(48.5%)、「健康寿命」(45.3%)、「ヤングケアラー」(42.4%)などが上位にあがる。ただし、現在のところ、内容まで知っている割合は半数に満たない。
     
  • なお、「ヤングケアラー」は、現在、中高生のクラスに1~2人は存在する状況であり、昨年度から政策として支援策が強化されている。本来、勉強や部活動などに集中できる時期に家事や介護、育児などの負担の大きな状況は、心身の発達や人間関係、進路などに影響を及ぼす。将来を担う世代の生活環境の改善は、持続可能な社会を維持する上で非常に重要な課題だ。
     
  • キーワードの認知状況について1年半前と比べると、5類引き下げ以降、消費者意識が外へ向かうことで、サステナビリティへの関心が僅かながら弱まりつつも、内容についての理解は深まっている傾向がうかがえる。属性別には、男性では企業活動、女性では日常生活に関わるキーワードの認知度が高く、年齢は高いほど、世帯年収は高いほど全体的に認知度が高い傾向があった。
     
  • 日頃の消費行動を見ると、エコバッグの持参や詰め替え製品の購入などプラスチックごみが出にくい行動は浸透しつつあるが、価格よりサステナビリティを優先して製品を選ぶ消費者は1割に満たない。物価高で低価格志向が高まり、モノを長く使う・リサイクルをすることでも貢献できるという側面もあるだろう。なお、男性より女性、高年齢ほど積極的に取り組む傾向があり、高年収層で省エネ家電の購入なども多い。
     
  • 企業の広報活動などではZ世代をターゲットとするものが多いようだが、当調査に基づくと、「Z世代は昔の若者と比べればサステナブル意識が高いが、現時点を比べれば年齢が高いほどサステナブル意識は高い」という理解が妥当だ。将来的には、すべての消費者にとってサステナビリティという観点が重要になるだろうが、価格を優先する消費者が大半である現在は、消費者の特徴を丁寧に捉えた訴求が必要だ。


■目次

1――はじめに~近年、高まるサステナビリティに関する意識、その実態は?
2――サステナビリティについてのキーワードの認知状況
 ~SDGsが首位、Z世代よりシニアで認知度高い
  1|全体の状況
   ~1位「SDGs」70.0%、2位「再生可能エネルギー」56.7%だが、内容まで理解は
    半数以下
  2|性年代別の状況
   ~男性は企業活動、女性は日常生活に関わる事柄、Z世代よりシニアで認知度高い
  3|職業や世帯年収別の状況
   ~職業は性年代の特徴による影響、世帯年収が高いほど認知度高い
3――サステナビリティに(も)関わる消費行動
 ~女性やシニアで積極的、価格よりサステナ優先は少数
  1|全体の状況
   ~エコバッグ持参やゴミ分別は浸透、価格よりサステナビリティ優先は1割未満
  2|性年別の状況
   ~女性やシニアで積極的、70~74歳で価格よりサステナビリティ優先が約2割
  3|職業・世帯年収別の状況
   ~職業は性年代の特徴による影響、高年収層でサステナ優先が若干高め社
4――現在のところ、価格よりサステナビリティ優先の消費者は少数派、
 企業等は丁寧な属性把握が必要
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生活研究部   上席研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、マーケティング

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レポート紹介

【サステナビリティに関わる意識と消費行動(1)-SDGsは認知度7割だが、価格よりサステナビリティ優先は1割未満】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

サステナビリティに関わる意識と消費行動(1)-SDGsは認知度7割だが、価格よりサステナビリティ優先は1割未満のレポート Topへ