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物価高の高齢者への影響~食料や光熱費の値上げが家計圧迫。今後の消費のキーワードは「良いものを長く使う」と「健康」
生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子
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歴史的な物価高と人手不足を背景に、今年の春闘では高い水準の賃上げが実現している。現役世代では、物価高の水準を超える賃上げに恵まれた世帯もあると見られるが、勤労収入の無い高齢者はどうかというと、今年度は年金が引き上げられたものの、昨年の物価上昇率の水準を下回っている。つまり、物価高の影響を吸収できていない。
高齢者に対する物価高の影響や意識を見るために、ニッセイ基礎研究所の調査結果等を分析すると、高齢者は全体に比べて物価高の影響を強く感じており、特に食料や電気代・ガス代の高騰が家計を強く圧迫していることが分かった。防衛策としては、節電や買い控え等の節約に加えて、ものを長く使うなど、長い目で見て出費を抑える姿勢が伺えた。貯蓄の取り崩しも1割を超えた。値上げの動きに対しては、コスト高を要因とする値上げにはやむなしという意識がある一方で、値上げが妥当な範囲かつ適切な方法で行われるように、企業や第三者に説明責任や監視を求める声が大きかった。
今後の商品やサービスの選び方としては、安さ以上に、信頼性・安全性や耐久性など、「質」への優先意識が強いことが分かった。「良い物を長く使う」という、長い時間軸で消費行動を判断していると言える。健康に良いものへの優先意識も高い。高齢者市場に携わる人は、このような意識に応えていくことが重要だろう。
■目次
1――はじめに
2――物価高の高齢者への影響
2-1| 物価高の家計への影響
2-2| 物価高の影響が大きい項目
2-3| 物価高への防衛策
2-4| 値上げに対する考え方
2-5| 商品・サービスを選ぶ上で優先すること
3――終わりに
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03-3512-1821
- 【職歴】
2002年 読売新聞大阪本社入社
2017年 ニッセイ基礎研究所入社
【委員活動】
2023年度~ 「次世代自動車産業研究会」幹事
2023年度 日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員
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