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「名古屋オフィス市場」の現況と見通し(2023年)
金融研究部 主任研究員 吉田 資
1. はじめに
2. 名古屋オフィス市場の現況
1 三幸エステートの定義による。大規模ビルは基準階面積200坪以上、大型は同100~200坪未満、中型は同50~100坪未満、小型は同20~50坪未満。
2 賃料サイクルとは、縦軸に賃料、横軸に空室率をプロットした循環図。通常、(1)空室率低下・賃料上昇→(2)空室率上昇・賃料上昇→(3)空室率上昇・賃料下落→(4)空室率低下・賃料下落、と時計周りに動く。
3. 名古屋オフィス市場の見通し
(1) オフィスワーカー数の見通し
愛知県の就業者数は、2年連続で増加し、2022年は418.2万人(前年比+2.0万人)となった(図表-11・左図)。
名古屋市中心部のオフィスワーカー3を産業別にみると、「情報通信業(IT)」の占める割合が16%と最も大きい。次いで「卸売業,小売業(13%)」、プロフェッショナルサービスが含まれる「学術研究,専門・技術サービス業(10%)」、「金融業,保険業(8%)」の順となっている(図表-12)。
オフィスワーカーが多い産業の就業者数(2022年)をみると、「卸売業、小売業(前年比+1.7%)」が前年から増加した一方、「情報通信業(同▲6.4%)」や「学術研究,専門・技術サービス業(同▲4.2%)」、「金融業,保険業(同▲8.4%)」は減少した。(図表-11・右図)。
内閣府・財務省「法人企業景気予測調査」によれば、「企業の景況判断BSI4」(東海地方)は、2020年第2四半期に「▲52.2」と一気に悪化した。その後は回復と悪化を繰り返し一進一退の動きで推移し、2023年第1 四半期は「▲3.6」となった(図表-13)。
また、「従業員数判断BSI5」(東海地方)は、不足を示す「21.1」(2020年第1四半期)からやや過剰の「▲1.3」(第2四半期)へ大幅に低下した後、足もとでは「+17.7」に回復した。しかし、「全国平均」の動きと比較した場合、東海地方の回復ペースは鈍い傾向にある。(図表-14)。
東海地方の「企業の経営環境」は一進一退を繰り返し回復の足どりが重い状況にある。また、「雇用環境」についても全国平均と比較して回復ペースが鈍い傾向にある。以上のことを鑑みると、今後のオフィスワーカー数の増加は力強さに欠くことが予想される。
3 従業地による職業別就業者のうち、専門的・技術的職業従事者、管理的職業従事者、事務従事者の合計。
4 企業の景況感が前期と比較して「上昇」と回答した割合から「下降」と回答した割合を引いた値。マイナス幅が大きいほど景況感
が悪いことを示す。
5 従業員数が「不足気味」と回答した割合から「過剰気味」と回答した割合を引いた値。マイナス幅が大きいほど雇用環境の悪化を示す。
(2023年05月31日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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