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- 鉱工業生産23年2月-1-3月期は2四半期連続の減産へ
2023年03月31日
1.2月の生産は市場予想を上回る
経済産業省が3月31日に公表した鉱工業指数によると、23年2月の鉱工業生産指数は前月比4.5%(1月:同▲5.3%)と2ヵ月ぶりに上昇し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比2.7%、当社予想は同2.4%)を上回る結果となった。2月の生産は1月に春節の影響で落ち込んだ反動で高めの伸びとなったが、1月の落ち込みを取り戻すには至らなかった。出荷指数は前月比3.6%と6ヵ月ぶりの上昇、在庫指数は前月比1.4%と3ヵ月ぶりの上昇となった。
2月の生産を業種別に見ると、1月に大きく落ち込んだ自動車(1月:前月比▲10.1%)、生産用機械(1月:同▲15.3%)が、その反動もありそれぞれ前月比15.4%、9.2%の高い伸びとなったほか、グローバルなITサイクルの調整を反映し低迷が続いている電子部品・デバイスが前月比7.7%と3ヵぶりに上昇した。ただし、電子部品・デバイスの出荷・在庫バランスは悪化に歯止めがかかっていない。
2月の生産を業種別に見ると、1月に大きく落ち込んだ自動車(1月:前月比▲10.1%)、生産用機械(1月:同▲15.3%)が、その反動もありそれぞれ前月比15.4%、9.2%の高い伸びとなったほか、グローバルなITサイクルの調整を反映し低迷が続いている電子部品・デバイスが前月比7.7%と3ヵぶりに上昇した。ただし、電子部品・デバイスの出荷・在庫バランスは悪化に歯止めがかかっていない。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は22年10-12月期に前期比▲6.9%と4四半期ぶりに低下した後、23年1月が前月比▲7.9%、2月が同2.9%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は22年10-12月期に前期比▲2.4%と2四半期連続で低下した後、23年1月が前月比▲0.7%、2月が同1.4%となった。
23年1、2月の平均を22年10-12月期と比較すると、資本財(除く輸送機械)は▲6.5%、建設財は▲1.4%低い水準となっている。
GDP統計の設備投資は、22年4-6月期の前期比2.1%、7-9月期の同1.5%の後、10-12月期は同▲0.5%と3四半期ぶりに減少した。高水準の企業収益を背景に、設備投資は基調としては持ち直しが続いていると判断されるが、輸出、生産活動の低迷を受けて製造業を中心にこのところ足踏み状態となっている。
23年1、2月の平均を22年10-12月期と比較すると、資本財(除く輸送機械)は▲6.5%、建設財は▲1.4%低い水準となっている。
GDP統計の設備投資は、22年4-6月期の前期比2.1%、7-9月期の同1.5%の後、10-12月期は同▲0.5%と3四半期ぶりに減少した。高水準の企業収益を背景に、設備投資は基調としては持ち直しが続いていると判断されるが、輸出、生産活動の低迷を受けて製造業を中心にこのところ足踏み状態となっている。
2.1-3月期は2四半期連続の減産へ
製造工業生産予測指数は、23年3月が前月比2.3%、4月が同4.4%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(2月)、予測修正率(3月)はそれぞれ▲2.0%、▲0.5%であった。
予測指数を業種別にみると、1月が前月比▲9.9%、2月が同14.1%と振れが大きくなっている輸送機械は、3月が前月比4.6%、4月が同5.8%の増産計画となっている。2月の実現率(1.2%)、3月の予測修正率(0.5%)がプラスとなるなど、供給制約による生産計画の下振れ傾向にも歯止めがかかりつつある。輸送機械は持ち直しが続く可能性が高い。
一方、2月に前月比7.7%の高い伸びとなった電子部品・デバイスは、3月が前月比▲9.4%の大幅減産計画となっており(4月は同8.5%)、底打ちまでにはしばらく時間がかかりそうだ。
23年2月の生産指数を3月の予測指数で先延ばしすると、23年1-3月期の生産は前期比▲1.4%となる。鉱工業生産は22年10-12月期(前期比▲3.0%)に続き、前期比マイナスとなることがほぼ確実となった。
個人消費を中心に国内需要が一定の底堅さを維持していること、ゼロコロナ政策の解除を受けて中国向け輸出の持ち直しが見込まれることから、生産は23年度入り後には持ち直しに向かうと予想している。ただし、欧米の景気下振れなどから輸出の低迷が長期化した場合には、生産の底打ちが後ずれするリスクが高まるだろう。
一方、2月に前月比7.7%の高い伸びとなった電子部品・デバイスは、3月が前月比▲9.4%の大幅減産計画となっており(4月は同8.5%)、底打ちまでにはしばらく時間がかかりそうだ。
23年2月の生産指数を3月の予測指数で先延ばしすると、23年1-3月期の生産は前期比▲1.4%となる。鉱工業生産は22年10-12月期(前期比▲3.0%)に続き、前期比マイナスとなることがほぼ確実となった。
個人消費を中心に国内需要が一定の底堅さを維持していること、ゼロコロナ政策の解除を受けて中国向け輸出の持ち直しが見込まれることから、生産は23年度入り後には持ち直しに向かうと予想している。ただし、欧米の景気下振れなどから輸出の低迷が長期化した場合には、生産の底打ちが後ずれするリスクが高まるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2023年03月31日「経済・金融フラッシュ」)
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