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- インデックス型の米国株式ファンドに過去最大規模の資金流入~2022年10月の投信動向~
コラム
2022年11月09日
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インデックス型の外国株式ファンドの販売は堅調
下落に伴って米株インデックスの買い
10月は、月の前半(3日から14日)だけでインデックス型の米国株式ファンドに1,400億円もの資金流入があった。毎月、月の前半は積立投資の買いによって資金流入が膨らむ傾向があるが、そのことを差し引いても、10月前半は資金流入が大きかった。実際に10月も積立投資が多い2日間、1日買付(黄棒)が反映された5日と8日買付(緑棒)が反映された13日にはそれぞれ486億円、264億円の資金流入がインデックス型の米国株式ファンドにあった【図表4】。9月は1日買付分が反映された5日が380億円、8日買付分が反映された12日が188億円であった。このことからも10月前半は買付がいつも以上に多かったことが分かる。
米国株式は10月後半こそ持ち直したが、10月前半は12日に主要指数であるS&P500種株価指数があくまでもドル建ての値での話ではあるが年初来安値を更新するなど、9月から引き続き下落、低迷していた。そのような中、積極的に米国株式を追加投資する人が多かったといえよう。
米国株式は10月後半こそ持ち直したが、10月前半は12日に主要指数であるS&P500種株価指数があくまでもドル建ての値での話ではあるが年初来安値を更新するなど、9月から引き続き下落、低迷していた。そのような中、積極的に米国株式を追加投資する人が多かったといえよう。
増える毎月8日積立
なお、先ほど触れたように最近は積立投資の買付が1日だけではなく8日も増えてきている。インデックス型の米国株式ファンドの資金流出入をみても、2021年から8日買付分(緑棒)の資金流入が1日買付分(黄棒)同様、もしくはそれ以上に増えていることからもそのことがうかがえる【図表4】。
これはクレジットカード引き落としで積立投資を始める人が増えていることが背景にある。大手ネット証券会社などでは、クレジットカード引き落としで毎月積立投資できるサービスを提供している。積立投資をしながら別途、投資額分のクレジットカードのポイントもためることができることもあり、実際に活用が広がってきている。
このクレジットカード引き落としの積立投資は、毎月の買付日が確定拠出年金と同じようにあらかじめ固定されている仕様となっている場合が多い。1日を買付日に指定している金融機関もあるが、新規顧客の場合は買付日が8日になっている金融機関もある。そのため8日のインデックス型の米国株式ファンドの買付が増え、それに伴って資金流入も増加してきていると推測される。
これはクレジットカード引き落としで積立投資を始める人が増えていることが背景にある。大手ネット証券会社などでは、クレジットカード引き落としで毎月積立投資できるサービスを提供している。積立投資をしながら別途、投資額分のクレジットカードのポイントもためることができることもあり、実際に活用が広がってきている。
このクレジットカード引き落としの積立投資は、毎月の買付日が確定拠出年金と同じようにあらかじめ固定されている仕様となっている場合が多い。1日を買付日に指定している金融機関もあるが、新規顧客の場合は買付日が8日になっている金融機関もある。そのため8日のインデックス型の米国株式ファンドの買付が増え、それに伴って資金流入も増加してきていると推測される。
インデックス型外国株式以外のファンドは資金流入が鈍化
このように10月はインデックス型の外国株式ファンドの販売は好調であったが、アクティブ型の外国株式ファンドは10月に400億円(SMA専用のものを除外)の資金流入と9月の600億円から鈍化した。その他の資産クラスのファンドも、SMA専用ファンドによって資金流入が膨らんでいた国内債券以外は、すべて9月から資金流入が減少した。特に国内株式ファンドでは、10月に300億円と9月の2,300億円から2,000億円も急減した。また、バランス型ファンドは10月にSMA専用のものに400億円の大規模な資金流入があったため、全体だと1,100億円と9月の1,200億円から小幅な減少だが、SMA専用ファンドを除外すると10月は700億円の資金流入と9月の1,300億円からほぼ半減した。
尚、国内株式ファンドは10月に急減したというより、9月に株価下落に伴ってインデックス型の国内株式ファンドを中心に資金流入が膨らんでいた反動と言えるだろう。それでも10月はインデックス型の外国株式ファンドに積極的に追加投資する人がいる一方で、その他のファンドについては様子見で追加投資を控える人も多かった様子である。
尚、国内株式ファンドは10月に急減したというより、9月に株価下落に伴ってインデックス型の国内株式ファンドを中心に資金流入が膨らんでいた反動と言えるだろう。それでも10月はインデックス型の外国株式ファンドに積極的に追加投資する人がいる一方で、その他のファンドについては様子見で追加投資を控える人も多かった様子である。
(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
(2022年11月09日「研究員の眼」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
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