- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- REIT(リート) >
- 株式としてみたJ-REIT投資。その資産特性を考える~「高配当利回り」、「安定配当」、「低β」の特性に着目したJ-REIT投資~
株式としてみたJ-REIT投資。その資産特性を考える~「高配当利回り」、「安定配当」、「低β」の特性に着目したJ-REIT投資~
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/69_ext_01_0.jpg?v=1469584417)
金融研究部 不動産調査室長 岩佐 浩人
- 少額の資金で実質的に不動産投資を実現できるJ-REIT(不動産投資信託)は、資産形成やインカム収入の確保に向けて有力な投資先の1つだが、J-REITを保有する個人投資主の数は伸び悩んでいる。
- J-REITの普及に向けたアプローチ先として、1,400万人を超える個人株主が考えらえる。そこで、本稿では、株式としてみたJ-REITの資産特性を確認し、個人株主にとってのJ-REIT投資の意義について考察する。
- まず、J-REITの特性として、「高い配当利回り」が挙げられる。過去19年間の平均配当利回りは4.2%で、国内株と比べて高い水準で推移し、両者の利回り格差は平均2.4%である。
- 次に、「安定配当」もJ-REITの特性の1つである。J-REITの保有資産は全て賃貸不動産で構成され、業績の安定性が高い。配当変動率について、TOPIX33業種と比較すると、J-REITは「倉庫・運輸」・「小売」に次いで3番目に低い水準にある。
- ただし、J-REITの特性である「高配当利回り」や「安定配当」は、株式投資において期待される「配当成長力」とトレードオフの関係にあることに留意したい。
- また、J-REITの価格変動を確認すると、株式市場の値動きに対する感応度を示す「β値」は0.59で、「電気・ガス」に次いで2番目に低く、いわゆる「公共株」に近い特性があると言える。
- 「高配当利回り」・「安定配当」・「低β」の特性を持つJ-REITに投資することで、個人投資家はインカム収入の拡大や安定性向上、運用戦略の広がりが期待できそうだ。
■目次
1――J-REITの個人投資主数は伸び悩み。金額ベースの保有比率は7年間で▲2.5%低下
2――海外投資家は株式ポートにREITを組み入れ。GPIFは日本株の枠内でJ-REIT投資を開始
3――株式としてみたJ-REIT投資。J-REITは、「高配当利回り」・「安定配当」・「低β」の特性
1|J-REITの過去19年間の平均配当利回りは4.2%。配当の安定性も高い
2|株式としてみたJ-REITの価格変動。TOIX33業種との比較で、「R²値」・「β値」が低い
4――おわりに
(2022年08月31日「基礎研レポート」)
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/69_ext_01_0.jpg?v=1469584417)
03-3512-1858
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
2005年 ニッセイ基礎研究所
2019年4月より現職
【加入団体等】
・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
岩佐 浩人のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/07/04 | 今年上期のJリート市場は▲4.6%下落。金利動向を睨んで投資家は様子見姿勢を継続~金融政策正常化に伴う金利上昇の影響は第2幕へ | 岩佐 浩人 | 研究員の眼 |
2024/06/07 | 東京オフィス市場は調整局面を脱する。ホテル市場は一段と改善-不動産クォータリー・レビュー2024年第1四半期 | 岩佐 浩人 | 基礎研マンスリー |
2024/05/10 | 東京オフィス市場は調整局面を脱する。ホテル市場は一段と改善-不動産クォータリー・レビュー2024年第1四半期 | 岩佐 浩人 | 不動産投資レポート |
2024/05/09 | Jリート市場の分配金は今後5年間で5%減少の見通し-シナリオ別の分配金レンジは「▲18%~+7%」となる見通し | 岩佐 浩人 | 基礎研マンスリー |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年07月26日
職場における温度、匂い、音等は、どういう人がシンドイと思っているのか -
2024年07月26日
米GDP(24年4-6月期)-前期比年率+2.8%と前期から大幅上昇、市場予想の+2.0%も大幅に上回る -
2024年07月26日
お金の流れでみる日本経済 -
2024年07月25日
消えた580兆円~住宅投資をしても残高の増加は限定的~日本の住宅投資はなぜ「資産化」しないのか~ -
2024年07月24日
中国経済の現状と注目点-好調は持続せず、不動産不況と貿易摩擦で弱り目に祟り目の中国経済
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【株式としてみたJ-REIT投資。その資産特性を考える~「高配当利回り」、「安定配当」、「低β」の特性に着目したJ-REIT投資~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
株式としてみたJ-REIT投資。その資産特性を考える~「高配当利回り」、「安定配当」、「低β」の特性に着目したJ-REIT投資~のレポート Topへ