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2022年08月01日
IMF世界経済見通し-下振れリスク顕在化でさらに下方修正
03-3512-1818
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1.内容の概要:22年、23年ともに下方修正
2.内容の詳細:米欧中の下方修正により、世界全体の成長率に陰り
IMFは、今回の見通しを「陰り見え、不透明感増す(Gloomy and More Uncertain)」と題して作成した1。
世界経済成長率(ベースライン)は、22年も23年も下方修正(22年:3.6→3.2%、23年:3.6→2.9%)された。米欧中の成長率が下方修正されたことによる影響が大きく、寄与で見ると22年は米中によりそれぞれ0.2%ポイント程度、成長率が押し下げられており、23年は米国により0.2%ポイント程度、EUにより0.1%ポイント強、中国により0.1%ポイント弱、成長率が押し下げられていると見られる2。
なお、IMFは見通しにおける戦争の前提として、ロシアから欧州への天然ガスの供給削減がこれ以上行われないこと、長期的なインフレ期待が安定的に推移し続けること、インフレ抑制のための金融引き締めによって金融市場の混乱が生じないことなどを含めている3。
今回の見通しの下方修正は、この前提のもとで4月時点の見通しで言及した下振れリスクの多くが顕在化したことが要因になっていると指摘、具体的には、中国のゼロコロナ政策における行動制限と不動産部門の不振による景気減速、高インフレを受けた主要中央銀行の利上げ観測の高まりと金融環境の引き締まり、ウクライナにおける戦争の波及効果を挙げている。
世界経済成長率(ベースライン)は、22年も23年も下方修正(22年:3.6→3.2%、23年:3.6→2.9%)された。米欧中の成長率が下方修正されたことによる影響が大きく、寄与で見ると22年は米中によりそれぞれ0.2%ポイント程度、成長率が押し下げられており、23年は米国により0.2%ポイント程度、EUにより0.1%ポイント強、中国により0.1%ポイント弱、成長率が押し下げられていると見られる2。
なお、IMFは見通しにおける戦争の前提として、ロシアから欧州への天然ガスの供給削減がこれ以上行われないこと、長期的なインフレ期待が安定的に推移し続けること、インフレ抑制のための金融引き締めによって金融市場の混乱が生じないことなどを含めている3。
今回の見通しの下方修正は、この前提のもとで4月時点の見通しで言及した下振れリスクの多くが顕在化したことが要因になっていると指摘、具体的には、中国のゼロコロナ政策における行動制限と不動産部門の不振による景気減速、高インフレを受けた主要中央銀行の利上げ観測の高まりと金融環境の引き締まり、ウクライナにおける戦争の波及効果を挙げている。
成長率見通しを地域別に見ると(前掲図表2、図表3)、先進国(22年3.3→2.5%、23年2.4→1.4%)と新興国・途上国(22年3.8→3.6%、23年4.4→3.9%)のいずれも下方修正されている。
先進国では、米国(22年4.7→3.2%、23年2.3→0.5%)が購買力低下や利上げによる消費減速によって大幅に下方修正されたほか、ユーロ圏(22年2.8→2.6%、23年2.3→1.2%)や日本(22年2.4→1.7%、23年2.3→1.7%)も下方修正された。
新興国・途上国では中国(22年4.4→3.3%、23年5.1→4.6%)やインド(22年8.2→7.4%、23年6.9→6.1%)の下方修正幅が大きい。一方、戦争当事者であるロシア(22年▲8.5→▲6.0%、23年▲2.3%→▲3.5%)は今年の成長率が上方修正されている。IMFはロシア経済について、輸出が予想よりも持ちこたえており、国内金融部門に対する制裁の影響が食い止められ、労働市場の悪化が予想を下回ったことで、内需が一定の底堅さを見せていると評価している。
なお、改訂見通しで公表している30か国を見ると、22年(度)は15か国が下方修正されており、上方修正は10か国、残りの5か国が横ばいだった。同じく23年(度)は24か国が下方修正、3か国が上昇修正、3か国が横ばいだった4。
先進国では、米国(22年4.7→3.2%、23年2.3→0.5%)が購買力低下や利上げによる消費減速によって大幅に下方修正されたほか、ユーロ圏(22年2.8→2.6%、23年2.3→1.2%)や日本(22年2.4→1.7%、23年2.3→1.7%)も下方修正された。
新興国・途上国では中国(22年4.4→3.3%、23年5.1→4.6%)やインド(22年8.2→7.4%、23年6.9→6.1%)の下方修正幅が大きい。一方、戦争当事者であるロシア(22年▲8.5→▲6.0%、23年▲2.3%→▲3.5%)は今年の成長率が上方修正されている。IMFはロシア経済について、輸出が予想よりも持ちこたえており、国内金融部門に対する制裁の影響が食い止められ、労働市場の悪化が予想を下回ったことで、内需が一定の底堅さを見せていると評価している。
なお、改訂見通しで公表している30か国を見ると、22年(度)は15か国が下方修正されており、上方修正は10か国、残りの5か国が横ばいだった。同じく23年(度)は24か国が下方修正、3か国が上昇修正、3か国が横ばいだった4。
インフレ率の見通しは、食料・エネルギー価格の上昇や需給の不均衡長期化を反映して、世界全体(22年7.4→8.3%、23年4.8→5.7%)、先進国(22年5.7→6.6%、23年2.5→3.3%)、新興国・途上国(22年8.7→9.5%、23年6.5→7.3%)のいずれも大幅に上方修正されている(前掲図表1、図表4)。また、IMFは見通しに対するリスクは圧倒的に(overwhelmingly)下方に傾いているとしており、具体的な要因として「戦争によるエネルギー価格のさらなる上昇」「物価上昇率の高止まり」「インフレ抑制にかかる予想以上の代価」「金融環境のタイト化と債務危機」「中国景気減速の長期化」「食料・エネルギー価格高騰による社会不安」「世界経済のさらなる分断化」を挙げており、特にインフレ関連のリスクが大きいと言える。
また、こうしたリスクを踏まえて、IMFは4つの悲観シナリオを用意している。
(1) 22年下半期以降、ロシアの石油輸出がベースライン比30%減少する
(2) ロシアから欧州へのガス輸出が22年末までにゼロになる
(3) インフレ期待が高止まりする
(4) 金融環境がタイト化し、債券のリスクプレミアム・タームプレミアムが上昇する
IMFはこれらのリスクが顕在化した場合、成長率は22年に2.6%、23年に2.0%になり、ベースライン比で22年0.6%ポイント、23年0.9%ポイント下振れすると試算している。また、物価はベースライン比で22年に約1.0%ポイント、23年に0.5%ポイント上振れるとしている(図表5)。こうした影響は、特に欧州で大きく、悲観シナリオにおいては、EUの成長率が23年でほぼゼロ成長となるとしている。1 同日に「減速する世界経済成長に立ち込める不透明で暗い見通し(Global Economic Growth Slows Amid Gloomy and More Uncertain Outlook)」との題名のブログも公表している。
2 寄与は筆者による簡易的な試算。また、上記脚注で言及したブログには各国・地域の寄与がグラフ化されたものが代替シナリオの寄与とともに記載されている。
3 ロシアの国営ガス会社ガスプロムは25日に「ノルド・ストリーム1」からのガス供給量をさらに削減(これまで平時の4割水準だったが、これを2割の水準まで削減)することを公表している。
4 22年(度)および23年(度)のいずれも上方修正もしくは横ばいだった国はサウジアラビア(22年7.6→7.6%、23年3.6→3.7%)、南アフリカ(22年1.9→2.3%、23年1.4→1.4%)、トルコ(22年2.7→4.0%、23年3.0→3.5%)の3か国だった。
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(2022年08月01日「経済・金融フラッシュ」)
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