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- ユーロ圏消費者物価(22年5月)-物価上昇の裾野も広がり、8%を超える
2022年06月01日
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1.結果の概要:前年同期比で8%台の伸び率に
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。
2.結果の詳細:6か国では前年比2桁の伸び率に
22年5月のHICP上昇率(前年同月比)は全体で8.1%となり、4月の7.4%から大幅に加速した。「コア部分(=エネルギーと飲食料を除く総合)」も3.8%と前月(3.5%)から加速した。以下で見る通り5月はエネルギーの伸び率が高止まるなかで、飲食料の伸びが全体の伸び率を押し上げた。また、コア部分も4月時点で幅広いカテゴリの加速が見られており、インフレ圧力は強い。
4月の伸び率はエネルギー価格の減速を受けて、3月と同じ伸び率となっていたが、5月は再びデータ公表以来の最も高い伸び率を更新したことになる。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」は3月3.4%→4月3.8%→5月4.2%と4%台に突入した。「サービス」(エネルギーを除く)も3月2.7%→4月3.3%→5月3.5%と3%超で加速が続いている(図表3)。
品目別に見ると、4月までのデータであるが、娯楽業が2月3.1%→3月3.1%→4月3.6%、外食・宿泊業が2月4.4%→3月5.1%→4月5.9%と対面サービス産業の加速が続いている。また、光熱費(4月15.9%)や輸送(4月13.0%)がエネルギー価格高騰の影響を受けて2桁の伸び率が続いているほか、家具も2月3.8%→3月4.2%→4月5.0%と加速が顕著になっている。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で3月44.3%→4月37.5%→5月39.2%と再び上昇幅か拡大し、前月比では2.0%(4月は▲4.1%)とプラスになった(図表3)。前年同期比の寄与度は3.77%ポイント程度(4月は3.70%ポイント)だった(前掲図表1)。
4月の伸び率はエネルギー価格の減速を受けて、3月と同じ伸び率となっていたが、5月は再びデータ公表以来の最も高い伸び率を更新したことになる。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」は3月3.4%→4月3.8%→5月4.2%と4%台に突入した。「サービス」(エネルギーを除く)も3月2.7%→4月3.3%→5月3.5%と3%超で加速が続いている(図表3)。
品目別に見ると、4月までのデータであるが、娯楽業が2月3.1%→3月3.1%→4月3.6%、外食・宿泊業が2月4.4%→3月5.1%→4月5.9%と対面サービス産業の加速が続いている。また、光熱費(4月15.9%)や輸送(4月13.0%)がエネルギー価格高騰の影響を受けて2桁の伸び率が続いているほか、家具も2月3.8%→3月4.2%→4月5.0%と加速が顕著になっている。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で3月44.3%→4月37.5%→5月39.2%と再び上昇幅か拡大し、前月比では2.0%(4月は▲4.1%)とプラスになった(図表3)。前年同期比の寄与度は3.77%ポイント程度(4月は3.70%ポイント)だった(前掲図表1)。
国別のHICP上昇率では、5月は前年同月比で19か国中18か国が加速しており、2桁の伸び率を記録している国が6か国(エストニア、リトアニア、ラトビア、スロバキア、ギリシャ、オランダ)ある(図表5)。前月比では19か国中オランダを除く国がプラスの伸び率だった(図表6)。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年06月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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