- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 経済予測・経済見通し >
- 欧州経済見通し-ロシアのウクライナ侵攻で環境が一変
2022年03月15日
欧州経済見通し-ロシアのウクライナ侵攻で環境が一変
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 22年以降、欧州ではオミクロン株の感染拡大がピークアウトし、行動制限の緩和により経済の回復が期待される状況にあったが、ロシアがウクライナに侵攻したことで環境が一変した。
- EUは日米英と協調してロシアに対する厳しい経済・金融制裁を講じてきた。さらに民間企業でもロシア関連の事業を縮小・撤退する動きが進んでいる。こうした「脱ロシア」の反作用として、欧州経済への影響も避けられない。
- これまで、コロナ禍を起点として感染拡大、供給制約、インフレといった要因が欧州経済の成長を阻害してきた。このうち感染拡大による悪影響は後退している。一方、供給制約やインフレについては、新型コロナウイルスに関連したものは緩和すると見られるが、地政学的要因に関連するものは悪影響が継続・悪化する公算が高い。
- インフレについては、エネルギー価格が急騰しているほか、物価上昇の裾野も拡大している。また、今後もロシア産資源の供給制約から原材料価格は高止まりする可能性が高い。したがって当面はコストプッシュ型のインフレが続くと見られる。EUはエネルギー危機への対応策を検討しているが、高インフレを劇的に改善することは困難だろう。
- 長期インフレ期待も上昇している。ECBはインフレ期待が目標に固定されたと判断、量的緩和策の正常化を進めている。コストプッシュ型のインフレ圧力が今後も続くことから、ECBは利上げを含む正常化に踏み切るだろう。
- ユーロ圏の経済成長率は22年3.3%、23年2.3%、インフレ率は22年4.5%、23年2.5%を予想する(図表1・2)。
- ウクライナでの戦争の展開が不透明なためリスクは大きく、また下方に傾いている。特にロシアのエネルギー供給が滞れば、欧州経済の深刻な落ち込みが懸念される。
■目次
1.欧州経済概況
・概観:コロナ禍は一服したが、ウクライナでの戦争で外部環境は一変
・振り返り:10-12月期成長率は前期比+0.3%、マイナス成長は回避
・現状:コロナ禍による影響は軽減、ウクライナでの戦争は大きな懸念材料
・財政:エネルギー危機への対応も検討中
2.欧州経済の見通し
・見通し:短期的にも中期的にも紛争の行方が見通しを大きく左右
3.物価・金融政策・長期金利の見通し
・見通し:高インフレは長期化する可能性が高い
・見通し:利上げを含めた段階的な正常化を予想
1.欧州経済概況
・概観:コロナ禍は一服したが、ウクライナでの戦争で外部環境は一変
・振り返り:10-12月期成長率は前期比+0.3%、マイナス成長は回避
・現状:コロナ禍による影響は軽減、ウクライナでの戦争は大きな懸念材料
・財政:エネルギー危機への対応も検討中
2.欧州経済の見通し
・見通し:短期的にも中期的にも紛争の行方が見通しを大きく左右
3.物価・金融政策・長期金利の見通し
・見通し:高インフレは長期化する可能性が高い
・見通し:利上げを含めた段階的な正常化を予想
(2022年03月15日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ


新着記事
-
2025年03月24日
中国:25年1~3月期の成長率予測-前期から減速。目標達成に向け、政策効果でまずまずの出だしに -
2025年03月24日
パワーカップル世帯の動向-2024年で45万世帯に増加、うち7割は子のいるパワーファミリー -
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【欧州経済見通し-ロシアのウクライナ侵攻で環境が一変】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
欧州経済見通し-ロシアのウクライナ侵攻で環境が一変のレポート Topへ