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- ユーロ圏消費者物価(22年3月)-前月比2.5%、前年比7.5%と急加速
2022年04月04日
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1.結果の概要:総合指数は7%台、コア指数は3%台へ
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。
2.結果の詳細:エネルギー価格は前月比2桁の上昇率に
22年3月のHICP上昇率(前年同月比)は全体で7.5%となり、前月の5.9%から大幅に加速、市場予想も大きく上回り、5か月連続で最も高い伸び率を更新した。「コア部分(=エネルギーと飲食料を除く総合)」は3.0%で市場予想をわずかに下回ったが、前月(2.7%)からは加速して2か月連続で最も高い伸び率を更新した。3月はロシアのウクライナ侵攻後の統計であり、以下で見る調に供給懸念がエネルギー・食料品(特に未加工食品)へのインフレ率圧力を強めたものと見られる。また、コア以外の飲食料(アルコール含む)、財、サービスの物価上昇圧力も引き続き強い。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分の「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」は1月2.1%→2月3.1%→3月3.4%と3%超の伸び率が続く。「サービス」(エネルギーを除く)も1月2.3%→2月2.5%→3月2.7%と加速が続いている(図表3)。品目別には2月までのデータであるが、娯楽業が1月2.8%→2月3.1%、外食・宿泊業が1月4.1%→2月4.4%と対面サービス産業の上昇傾向が続くほか、家具も1月2.8%→2月3.8%と伸び率を高めた。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で1月28.8%→2月32.0%→3月44.7%と40%を超えた。前月比では3月は12.5%(2月は同3.4%)と、単月で2桁の伸び率となり、高騰する資源価格を受けた急上昇が見られる(図表3)。前年同期比の寄与度は4.27%ポイント程度(2月は3.12%ポイント)でエネルギーが全体の伸び率の過半を占める状況が続いている(前掲図表1・2)。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分の「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」は1月2.1%→2月3.1%→3月3.4%と3%超の伸び率が続く。「サービス」(エネルギーを除く)も1月2.3%→2月2.5%→3月2.7%と加速が続いている(図表3)。品目別には2月までのデータであるが、娯楽業が1月2.8%→2月3.1%、外食・宿泊業が1月4.1%→2月4.4%と対面サービス産業の上昇傾向が続くほか、家具も1月2.8%→2月3.8%と伸び率を高めた。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で1月28.8%→2月32.0%→3月44.7%と40%を超えた。前月比では3月は12.5%(2月は同3.4%)と、単月で2桁の伸び率となり、高騰する資源価格を受けた急上昇が見られる(図表3)。前年同期比の寄与度は4.27%ポイント程度(2月は3.12%ポイント)でエネルギーが全体の伸び率の過半を占める状況が続いている(前掲図表1・2)。
国別のHICP上昇率では、3月は前年同月比で19か国中ベルギーとスロベニア以外の国が2月から加速した(図表5)。前月比では19か国中スロベニアを除く国がプラスの伸び率となっており、このうち11か国は2%以上、4か国が3%以上の伸び率を記録、3月単月で顕著に上昇した国が目立った(図表6)。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年04月04日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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