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- 景気ウォッチャー調査(22年2月)~感染者数の減少傾向で先行きは上昇も、原油高騰への懸念
2022年03月09日
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1. 現状判断DIは前月からわずかに低下、先行き判断DIは改善
2. 景気の現状判断DI:2か月連続で低下
回答者のコメントからは、まん延防止措置の影響への指摘や、原油や資材価格の高騰に言及したものが多々見られた。
<まん延防止措置の影響に関連した回答者の主なコメント>
<原油や原材料価格の高騰、物価上昇に関連した回答者の主なコメント>
<まん延防止措置の影響に関連した回答者の主なコメント>
- まん延防止等重点措置の期限が延長されたことで、来客数やレジ客数が前年比で約5%減少し、売上も前年並みの推移となっている。ただし、バレンタインフェアは好調で、アクセサリーやチョコレート類は好調に推移するなど、売上の確保につながっている (近畿・百貨店)
- まん延防止等重点措置の適用による自粛要請に伴い、短縮営業及び休業等の対応を進めている。売上の柱である法人関連の宴席は皆無となり、個人客のレストラン利用も低調が続いている(南関東・高級レストラン)
- まん延防止等重点措置が適用される前は少しずつ需要も回復していたが、適用された途 端にほぼ全てがキャンセルされることの繰り返しである。売上も2年前と比べると4分の1まで落ち込んでいる(沖縄・旅行代理店)
<原油や原材料価格の高騰、物価上昇に関連した回答者の主なコメント>
- 原材料価格が値上がりし、ここに来て、フィルム、パック、添加物といった製品原価にかかわる物が全て値上げとなっている。商材自体はまだ値上げができていないので、かなり大変な事態になってきている(甲信越・食料品製造業)。
- 大雪により買物に行けないこと、3月からの食料品の値上げが報道されていることなどにより、カップ麺、小麦粉、パスタなどのまとめ買いが増加している(北海道・スーパー)
- 原油高の影響により、関係協力会社からの値上げ要求がある。高騰する経費を自助努力で賄うのも限界に近い。新型コロナウイルス第6波の影響もあるが、全体的に停滞の雰囲気が漂う(九州・輸送業)。
3. 景気の先行き判断DI:上昇に転換
回答者のコメントからは、ワクチンの普及や治療薬の普及による感染者数の減少への期待を示す声がある一方で、ウクライナ情勢や原油高騰への懸念もみられた。
<ワクチンの普及や治療薬の普及による感染者数の減少への期待に関する主なコメント>
<ウクライナ情勢や原油高騰への懸念に関する主なコメント>
<ワクチンの普及や治療薬の普及による感染者数の減少への期待に関する主なコメント>
- 3回目のワクチン接種並びに経口治療薬の普及で新型コロナウイルスの新規感染者数や重症患者数が減少し、客の自粛が緩和することを期待する(中国・都市型ホテル)
- 3回目のワクチン接種が始まっているので、ワクチン接種率の上昇に伴いある程度感染は落ち着いてくる。よって、人の動きも良くなり、景気は回復してくるとみている(東北・コンビニ)
<ウクライナ情勢や原油高騰への懸念に関する主なコメント>
- ロシアのウクライナ侵攻によりエネルギー価格、食料品価格の高止まりは続き、食品の値上がりは継続する。そのため、客の財布のひもが固い状況は続く(東北・スーパー)。
- ロシアのウクライナ侵攻により、燃油価格の更なる高騰が現実的なものになってきた。業界だけを見ても軽油だけではなく車両、タイヤ、オイル、尿素水など運送に関わる全ての物が値上がりをしている。景気が良くなると予想できる要素はほとんどない(東北 =輸送業)。
- 新年度予算の早期成立で公共土木工事の新規受注が期待できる。ただし、新型コロナウイルスの感染状況やロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料や原材料の価格高騰、品不足などが工事原価に影響を及ぼすことが懸念される(北海道・建設業)
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年03月09日「経済・金融フラッシュ」)
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