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- 景気ウォッチャー調査(22年1月)~感染者数の急増により、景況感は大きく悪化
1.現状判断DI、先行き判断DIともに急低下、50割れ
2.景気の現状判断DI:飲食を筆頭に大幅下落、下落幅は東日本大震災に匹敵
<まん延防止措置の影響に関連した回答者の主なコメント>
- 1月上旬は、東京都内の新型コロナウイルス感染者数がかなり増えたが、その割には週末の夜もそれほど変わりなく客が来店してくれていた。やはりまん延防止等重点措置が適用されてからは、週末の予約も立て続けにキャンセルとなり、予約数がゼロとなってしまったので、また飲食店は厳しい状態になっている(南関東・一般レストラン)。
- まん延防止等重点措置が適用されてから、入りかけていた一般宴会はストップし、入っていた予約もキャンセルが相次いでおり最悪の状況である。個人宿泊もしかりで、どんどん減少の一途をたどっている。今月末~来月のまん延防止等重点措置の期間中に、3~4日間の全館休業をせざるを得なくなった(甲信越・観光型ホテル)。
<在宅時間増に関する回答者の主なコメント>
- 新型コロナウイルスオミクロン株の感染拡大により小学校などの休校が相次いでいる。昼食需要として冷凍食品、カップ麺、菓子パンなどが急に売れ出した(北海道・スーパー)
- 引っ越しに伴う新規契約の増加と、在宅ワークによるネット回線の申込みが増加している(東海・通信会社)。
<原油や資材価格の高騰、物価上昇に関連した回答者の主なコメント>
- 新型コロナウイルス感染拡大による定期業務の延期や従業員の感染による管理業務の減少により、売上が減少している。燃料費や資材価格の値上げによる経費増も続いており、 減益額が拡大している(北関東・不動産業)。
- 原材料価格が再び高騰してきている。また、その他資材価格も次から次へと値上げ要請が始まり、それを受け入れているが、当社も値上げしなくてはいけない状況になりつつある(甲信越・食料品製造業)。
なお、現状判断に関する回答者コメントの傾向を把握する観点から作成した共起ネットワーク1は以下の通りとなった。オミクロン株の拡大やまん延防止等重点措置の適用以降、売上や来客数が減少し、予約がキャンセルになるなどの影響が出ていることが示されている。
3.景気の先行き判断DI:昨年8月以来の50割れ
<感染収束への不透明感、緊急事態宣言発令への懸念に関する回答者の主なコメント>
- まん延防止等重点措置が解除されるまでは人の動きは少なくなる。また、新型コロナウイルスオミクロン株の新規感染者数が更に増加した場合、再度緊急事態宣言が発出されれば、当面景気の回復は見込めない(九州・コンビニ)
- 新型コロナウイルスオミクロン株の影響で、更に先行きが見通せず、公共事業発注のペースも遅く、この先が怖い(北関東・建設業)。
<今後の物価上昇への懸念を指摘する回答者の主なコメント>
- 春には食品の値上げも予定されている。賃金が上がらず、値上げが進む状況では、景気が良くなる可能性はほとんどない(近畿=スーパー)。
- 前年の果物の販売単価は、全般的に例年よりも1~2割高かった。一方で、農機具等の整備点検を業者に見積もってもらったところ、今年は1~2割程度値上がりしている(東北・農林水産業)
<感染の早期ピークアウトへの期待に言及する回答者の主なコメント>
- 3回目のワクチン接種や経口薬などにより、新規感染者数は新年度までには落ち着き、春物消費の最盛期には活発に動くと期待している(東北・百貨店)。
- 新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種が進展し、感染拡大がピークアウトする(南関東・都市型ホテル)。
なお、先行き判断に関する回答者コメントの傾向を把握する観点から作成した共起ネットワーク2は以下の通りとなった。オミクロン株の感染拡大の影響で今後の景気に悪影響を与え、厳しい状況が続く可能性があることや、価格高騰や資材不足による生産への影響など示されている。
2 KH Coderにより作成。複合語等の調整を実施。
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山下 大輔
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(2022年02月08日「経済・金融フラッシュ」)
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