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- 英国GDP(2021年10-12月期)-回復は続いたがコロナ禍前には届かず
2022年02月14日
1.結果の概要:前期比1.0%と回復が続くがコロナ禍前には届かず
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様。
2.結果の詳細:オミクロン株の感染拡大と「プランB」で12月はマイナス成長
英国の21年10-12月期の実質成長率は前期比1.0%(年率換算3.9%)となり、4-6月期から3四半期連続でのプラス成長となった。その結果、暦年成長率では21年で7.5%(20年▲9.4%)となった。実質GDPの水準はコロナ禍前(19年10-12月)と比べて▲0.4%となった。ユーロ圏主要国と比較すると、フランスより回復は遅れているが、ドイツ、イタリア、スペインよりは回復が進んでいるという位置にある(図表2)。
成長率を需要項目別に確認すると、10-12月期では、個人消費が前期比1.1%(7-9月期2.9%)、政府消費が同1.9%(▲0.0%)、投資が同2.2%(▲0.2%)、輸出が同4.9%(▲4.7%)、輸入が同▲1.5%(3.6%)となった。コロナ禍前比では、個人消費が▲0.5%、政府消費が9.9%、投資が▲1.8%、輸出が▲18.0%、輸入が▲9.2%だった。また、純輸出の前期比寄与度は1.62%ポイント(▲2.21%ポイント)だった。
個人消費はコロナ禍前の水準に近づいてきたが、投資水準は低く、EU離脱後の貿易量も少なさも目立つ。
最後に名目GDPを確認すると、10-12月期は前期比1.5%(7-9月期は1.4%)となり、主要項目のすべてで前期比プラスとなっている(図表5)。
2 12月の月次GDPの水準はコロナ禍前(19年12月)と比較して▲0.2%だった。ONSは月次GDPでは総付加価値(GVA、生産面)のみを推計するのに対して、四半期のGDPでは生産面、所得面、支出面をそれぞれ推計した平均が反映されているため、コロナ前と比較した水準感にも差異が生じており、また生産面の推計値は大きくなりやすい傾向がある点を指摘している。
個人消費はコロナ禍前の水準に近づいてきたが、投資水準は低く、EU離脱後の貿易量も少なさも目立つ。
最後に名目GDPを確認すると、10-12月期は前期比1.5%(7-9月期は1.4%)となり、主要項目のすべてで前期比プラスとなっている(図表5)。
2 12月の月次GDPの水準はコロナ禍前(19年12月)と比較して▲0.2%だった。ONSは月次GDPでは総付加価値(GVA、生産面)のみを推計するのに対して、四半期のGDPでは生産面、所得面、支出面をそれぞれ推計した平均が反映されているため、コロナ前と比較した水準感にも差異が生じており、また生産面の推計値は大きくなりやすい傾向がある点を指摘している。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年02月14日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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