- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- ユーロ圏GDP(2021年10-12月期)-コロナ禍前水準は超えたが、伸びは鈍化
2022年02月01日
1.結果の概要:3四半期連続でプラス成長
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様
2.結果の詳細:ドイツなど一部の国ではマイナス成長に
2021年10-12月期の成長率は前期比0.3%(年率換算1.2%)となり、3四半期連続でのプラス成長となり、コロナ禍前(19年10-12月期)の水準との比較では+0.03%と、コロナ禍前の水準を超えた。ただし、21年後半の新型コロナの感染再拡大で回復ペースは鈍化した。21年暦年の成長率は前年比5.2%(20年は▲6.4%)だった。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると(図表3)、前期比ではドイツ▲0.7%(前期1.7%)、フランス0.7%(前期3.1%)、イタリア0.6%(前期2.6%)、スペイン2.0%(前期2.6%)となり、速報時点で公表されている国は前期から成長率が鈍化、もしくはマイナス成長となった。
コロナ禍前と比較すると(図表4)、大国4か国のうち、フランスはプラス圏に浮上した。他方、スペインの回復は依然として遅れている。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると(図表3)、前期比ではドイツ▲0.7%(前期1.7%)、フランス0.7%(前期3.1%)、イタリア0.6%(前期2.6%)、スペイン2.0%(前期2.6%)となり、速報時点で公表されている国は前期から成長率が鈍化、もしくはマイナス成長となった。
コロナ禍前と比較すると(図表4)、大国4か国のうち、フランスはプラス圏に浮上した。他方、スペインの回復は依然として遅れている。
次にフランスとスペインは各国統計局(フランス国立統計経済研究所(INSEE)、スペイン統計局(INE))がGDPの詳細を公表しているので、以下で見ていきたい。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費0.4%(前期5.6%)、政府消費0.3%(前期2.7%)、投資0.5%(前期0.1%)、輸出3.2%(前期1.7%)、輸入3.6%(前期0.8%)となった。個人消費の鈍化とあわせて全体の成長率も鈍化した形となっている(図表5、ここでは2019年の平均を100として記載)。産業別の付加価値を見ると、製造業が0.3%(前期▲0.5%)、建設業が▲0.6%(前期▲0.3%)、市場型サービス産業1.6%(前期5.0%)、非市場型サービス0.3%(前期1.4%)だった。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費0.4%(前期5.6%)、政府消費0.3%(前期2.7%)、投資0.5%(前期0.1%)、輸出3.2%(前期1.7%)、輸入3.6%(前期0.8%)となった。個人消費の鈍化とあわせて全体の成長率も鈍化した形となっている(図表5、ここでは2019年の平均を100として記載)。産業別の付加価値を見ると、製造業が0.3%(前期▲0.5%)、建設業が▲0.6%(前期▲0.3%)、市場型サービス産業1.6%(前期5.0%)、非市場型サービス0.3%(前期1.4%)だった。
スペインの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲1.2%(前期1.0%)、政府消費▲0.4%(前期0.5%)、投資4.9%(前期1.2%)、輸出6.5%(前期7.1%)、輸入3.5%(前期2.2%)となった。スペインでは、個人消費の回復が特に遅いことが分かる(図表6)。産業別には、製造業が前期比1.6%(前期2.0%)、建設業が前期比1.6%(前期2.0%)、サービス業が前期比1.8%(前期4.1%)となっている。コロナ禍前との比較ではサービス業が▲3.6%、製造業が▲5.0%、建設業▲14.1%となっており、コロナ禍で大きく落ち込んだサービス業より製造業や建設業の水準が低い。ただし、サービス業でも回復をけん引しているのは、金融業となっている。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年02月01日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/01/20 | IMF世界経済見通し-ベースラインは安定成長だが不確実性は高い | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/01/16 | ロシアの物価状況(24年12月)-前年比伸び率は9%台半ばまで上昇 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/01/08 | ユーロ圏消費者物価(24年12月)-総合指数は3か月連続上昇、2.4%に | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/01/08 | ユーロ圏失業率(2024年11月)-失業率・若年失業率ともに横ばい推移 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年01月21日
気候変動 保険活用への影響-保険の“3つのA”はどのような影響を受けるか? -
2025年01月21日
EUにおけるソルベンシーIIのレビューを巡る動向2024-ソルベンシーIIの改正指令が最終化- -
2025年01月21日
「人生会議」とは何か?~アドバンス・ケア・プラニング(ACP)は、最期まで自分らしく生き抜くためのキーワードか~ -
2025年01月21日
ベトナム生命保険市場(2023年版) -
2025年01月21日
今週のレポート・コラムまとめ【1/14-1/20発行分】
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【ユーロ圏GDP(2021年10-12月期)-コロナ禍前水準は超えたが、伸びは鈍化】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ユーロ圏GDP(2021年10-12月期)-コロナ禍前水準は超えたが、伸びは鈍化のレポート Topへ