2022年02月04日

感染拡大収束後の消費行動

生活研究部 上席研究員 久我 尚子

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■要旨
 
  • ニッセイ基礎研究所の調査にて感染状況が改善した時期に再開したことを尋ねた結果では、20~74歳で最多は「外食」(32.5%)で、「友人と会う」(21.9%)、「国内旅行」(19.3%)、「飲み会・会食」(17.5%)と続く。ワクチン接種後にやりたいことを尋ねた結果と対比すると、消費者は最も希望する行動というよりも、感染拡大下ではリスクが高く制約の多い行動、日常生活に近い行動からやや慎重に再開する傾向がある。
     
  • 性年代別に見ると、女性や若者、シニアで行動再開に積極的な傾向がある。背景には従来からの消費意欲の旺盛さに加えて、就業率が低く時間のゆとりがあること、若者は重篤化リスクが低いことがあげられる。ライフステージ別には、孫や子が誕生した世帯で帰省、小学生以下の子育て世帯でレジャーなど、未婚・独身で特にないが多い。
     
  • 職業別には、就業者で飲み会・会食や通勤、学生で友人と会うことや通学、専業主婦で外食やショッピングなどが多く、行動制限が緩和されると、それぞれ平常時の行動を再開していく。なお、シニア層の多い無職では特にないが多い。年代別ではむしろ積極的な傾向も見られたこともあわせると、シニア層では外出自粛傾向の強い層とリスクを避けながらアクティブに過ごす層の両者の存在がうかがえる。
     
  • このほか、高所得層で国内旅行をはじめ行動再開積極的である傾向や、感染不安が強い層ほど外出自粛傾向が強いために感染状況が改善されると行動再開に積極的な行動などが確認された。
     
  • デルタ株の感染拡大収束後は外食を中心にやや慎重に消費行動を再開する傾向があったが、私達はコロナ禍の過ごし方のコツもつかみつつある。出来るときにやりたいことをする、会いたい人に会っておかないと、次がいつになるのか分からない。よって、今回の感染拡大収束後は、やはり外食を中心としつつも、春休みも重なる時期であれば、旅行やレジャーなどの非日常的な消費行動も積極的に再開されるのではないか。


■目次

1――はじめに
 ~オミクロン株による感染拡大収束後、消費者はどのような行動から再開するのか?
2――全体の状況~外食など感染拡大下ではリスクが高い行動、日常生活に近い行動から再開
 されるが、「特に無い」も約4割で多い
3――属性別の状況
 ~消費意欲や時間のゆとり、感染不安による自粛傾向の強さなどが行動再開に影響
 1|性年代別
  ~いずれも首位は外食、消費意欲の旺盛な女性、時間のある若者やシニアで全体的に積極的
 2|ライフステージ別
  ~いずれも首位は外食、子や孫誕生世帯で帰省、子育て世帯でレジャーが多い
 3|職業別
  ~学生は友人と会うが首位、就業者は飲み会や通勤、学生は通学など各々平常時の行動を再開
 4|個人・世帯年収別
  ~高所得層の首位は国内旅行、現役世代の多い高所得層ほど行動再開に積極的
 5|感染不安別
  ~不安の強さによらず首位は「外食」だが、不安が強いほど行動再開に積極的
4――おわりに
 ~オミクロン株による感染拡大収束後はデルタ株収束後より積極的に消費行動再開か

(2022年02月04日「基礎研レター」)

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生活研究部   上席研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、マーケティング

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
     2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
     2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
     2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
     2021年7月より現職

    ・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
    ・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
    ・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
    ・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
    ・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
    ・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
    ・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
    ・総務省「統計委員会」委員(2023年~)

    【加入団体等】
     日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
     生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society

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